今年の稲作-2011-3










  周辺の田は殆どが5月の連休田植えのコシヒカリ。従って例年なら、8月末から9月初めに稲刈りが始まるのですが、今年は5月・6月の低温と8月後半の俄雨で登熟が遅れ、台風12号が月初めに通って大雨をもたらしたので、6日頃からようやく本格的になりました。一方6月中旬から田植えをし、9月下旬に刈り穫りを始める我が家では、周辺の田と水の駆け引きが全く違うので、あまり中干しを強くしないせいもあり、まだ田面が乾いて無いのに台風で株元を揺さぶられ、コシヒカリは大きく傾いて仕舞いました。倒伏した分けではありませんので、台風と秋雨前線に伴う雨が抜けたら、本格的に稲刈りを始める予定です。
 11/24(木) お米のコンテストの結果
  高島市の「おいしいお米コンテスト」に、「環境こだわり農産物生産圃場」のコシヒカリを出品しました。この2枚の田は、私が得意先農家が作っておられる環境こだわり農産物の確認責任者をしているため、自分の田を自分が確認する分けにはいかないので、生産者を佐千夫にしています。従って今回のコンテストも佐千夫の名前で出品しました。

  このコンテストには初めて出品したのですが、締め切りが9月30日。9月24日から稲刈りを始めた我が家では、最初に植えたお米がギリギリ間に合って出品したのですが、どうみても乳白米が多くてコンテストに出せる様なお米ではありませんでした。

  本当なら6月末から7月初めに掛けて植えた、超遅植えコシヒカリを出したい所ですが、稲刈りが10月中旬になって仕舞います。これがネックになってこれまで出さなかったのですが、昨年山形県庄内町の「日本一美味しいお米コンテスト」に出品したのが好評だったので、思い切って出してみたものです。

  今日届いた審査結果では、「総合品位・A」「内部品質・A」「外観品質・A」「食味値・85」で、特に食味値85には素直に喜んでいます。食味値が高いからと言って、必ずしも美味しいとは言えないのですが、一般に食味値70で美味しい、80では非常に美味しいと評価されますので、85なら特に美味しいと言っても可笑しくないでしょう。ちょっと安心しました。

  普通コシヒカリの千粒重は22g程度なのですが、我が家のコシヒカリは23.7g。普通の米より粒が大きいとは思っていましたが、こうしてデータで示されると、我が家の細植え・粗植が評価された様で、これも嬉しいですね。これは食味値だけでなく、実際に食べた時の食感にも大きく影響します。勿論大きい方が噛み応えがあって美味しく感じるのですが。 




 10/27(木) にこまる刈り穫り
  月末には天気が悪くなりそうとの予想で、少し早めに山田錦を刈ったのですが、ようやく天候が回復したので「にこまる」を刈り穫りました。田の周りから見ていると分蘖は40本ほどもあり、同級生の得意先農家が稲穂を持って帰って数えたら、籾が1穂に178粒も着いていたと呆れていたほど。
  試しに一番外側と中の方の2株を掘り起こして保存する事にしましたが、中の方の株でも穂が32本着いていました。何よりも籾が非常に綺麗で稔実も良さそうなので、どのくらいの収量があるかと言う事よりも、美味しいとは聞いているので、どんな味なのかという方が気になります。 
  籾摺りしましたが収量は拍子抜けするほど。炊いて試食した結果は、非常に光沢があって艶々ピカピカの真っ白なご飯。余り粘り気は無くて、炊きたてはともかく時間が経てば少し味が落ちる様です。
  精米したお米のパックに貼るシールを新しくするため、苗代跡地で写真を撮ったのですが、肝心の稲が倒伏していたので、稲刈り前に撮り直しをしました。










 10/18(火) 山田錦の刈り穫り
  酒米の山田錦は、刈り穫り適期がわずか2〜3日しか無いと言われるほどで、稲刈り時期の判定には他のの品種以上に神経を使います。粳米品種の刈り穫りと乾燥機の空き具合を考えながら、毎日穂の成熟具合を見てきました。天気予報を見ていると週末にはまた雨の模様で、部分的に倒伏が始まったのを見ても、早目に刈り穫った方が良いと判断。18・19日の二日間で5反半の稲刈りをしました。
  昨年までのコンバインでは、穂先が私の肩より上まで来る山田錦の長い藁が、度々カッターに詰まって仕舞って難儀したのと比べると、幸い今年から使い始めたコンバインは調子良くて、大助かりでした。 
























 10/12(水) 最後の粳米
  「滋賀羽二重糯」の刈り穫りが終わったので、残りのうるち米の6枚で6反弱を、2日掛けて刈り穫りしました。試しに植えた「にこまる」を除けば、うるち米はこれでお終いになります。後は酒米の「山田錦」が残りますが、「にこまる」と共にまだしばらく刈り穫りには時間が掛かりそうです。 
  お預かりしている田の中に、伊勢神宮の神明講の田があります。元々はこの田を講の人達が皆で作って、出来たお米を神前にお供えし、残ったお米を売ってお伊勢詣りの費用に充てたのでは無いかと思うのですが、近年は講の人達で作れなくなって小作に出しておられます。
  2004年に初めてお預かりした時にはどんな田か全く分からず、田植えは何とか済ませたものの稲刈りではコンバインを煮え込ませ、最終的にはトラクターにキャリーを付けて入って手刈りを余儀なくされ、たいそう難儀しました。
  後で分かったのですがこの田は、二方が不法に宅造された高台になっていて、法面の下部に側溝が無いため宅造地の水が絶えず流れ込んでいて、全く田面が乾かないのです。代掻きに行ってトラクターを煮え込ませ、得意先の農家2人に助けて貰った事もあります。
  それ以来法面の下に畦を作り、宅造地からの水が田に流れ込まないようにしていますので、今年は8年目で初めて相応の収穫がありました。実は非常に水利の悪い田でもあり、田植え時期はともかく夏場は思ったように水が入らないので、これまで満足な収穫が得られた事は無いのです。神明講の責任者の方には年貢は要らないから作って欲しいとまで言われているのですが、作らせて頂く以上は当たり前ですが、毎年年貢米をお届けしています。












 10/10(月) 排水と給水
  3日に刈り穫りに行った十箱の田では、水口に思わぬぬかるみがあって刈り残しが出来て仕舞いました。しばらく水が捌けるのを待って収穫に行きましたが、幸い殆ど完璧に乾いていて手刈りしたのは水口の40株だけでした。逆に「にこまる」を植えているたは田面が白く乾いて来たので、一枚上の苗代跡地のコシヒカリを刈ってから、導水路を掘って水を入れました。








 10/8(土) 羽二重糯刈り穫り
  滋賀羽二重糯は、富山県農試が富山在来の品種改良をし「とみちから」を作り出したとき、日本中の糯米の特性を調べて交配相手に選んだほど。この時の評価は、「これに勝る品種は無い」との事だったと聞いています。普通に作ると非常に長くなり、今年も穂先は私の肩までありました。その茎は非常にしなやかで藁細工をするのに最適なのですが、米作りにはとても神経を使います。刈り遅れすれば胴割れの心配があり、倒伏させればもつれて引き上げられないので刈り取りは大変。他の品種の収穫との兼ね合いで毎年遅れ気味になるのですが、今年は珍しく少し早めに刈り穫りする事が出来ました。しかもかなり豊作のようで、年末の餅つきも楽しみです。














 10/4(火) 家の回りで稲刈り
  5日・6日が雨の予報で、苗代跡地と玄関先のコシヒカリを刈り穫りました。段々と倒伏状態が悪くなって、雨の前に何とか刈っておきたかったのです。以前お米に貼っていたシールの写真は、私と母のツーショットでしたが、母が亡くなって1周忌が済んだのを機会に、昨年から美代との写真を使っていました。しかし余り良い出来の写真では無かったので、何とかもっと格好良く写したかったのですが、肝心の稲が倒伏しているので何とも出来の悪い写真になってしまいました。何処か別の田で再度写してみます。 

















 10/3(月) 思わぬ手抜かり
  6月末〜7月初めに植えたコシヒカリが、家の回りに5反余りあるのですが、今日・明日と2反ずつ刈ると、5日の雨の前に何とか仕舞えると思って出掛けました。昨日の田が予想以上に倒伏していたのに、少し時間が掛かったものの綺麗に刈れたので、今日は鼻歌交じりで楽勝と考えていたのですが、なんと水口から水が漏れていてかなりの面積がグチャグチャ。
  この田は手前側を流れている、昔からの素堀の小川に隣接しているのですが、川床の方が高くて毎年水がしみこんでなかなか乾かないのです。勿論今年も何度も見に行って、何時も難儀する川沿いが乾いているので、安心していました。毎年かなりな量の籾殻を入れているので、近年は殆どコンバインを煮え込ませる事は無いのです。まさか閉めてある水口の回りから漏水して、道路沿いがぬかるんでいるとは思わなかったので、直ぐ近くに排水口も設けて万全を期していたのに、なまじ一番気になっている所が乾いていたため、水抜きをしなかったのが手抜かりでした。
  結局この2反歩の田の内で、水口近くの1畝足らずは田面が乾くまで待って刈ることにしました。多少刈り遅れするかも知れませんが、仕方ないですね。




  我が家のコンバインは今でも袋取り仕様。コンバインにフレコンを入れ、一杯になるとフォークリフトで抜きます。上手く引っ張り出せる様に、リフトの爪の先に穴を開けボルトを入れてあるのですが。抜き出したフレコンはトラックに載せますが、2反分くらいの籾は無理なく積み込めます。 

 9/29(木) 案ずるより…
  今日は暑いほどの秋晴れに恵まれ、快調に稲刈りが出来ました。佐千夫が昨夜から友人と小浜へイカ釣りに出掛けたので、今日は一人百姓。しかしこの田は圃場整備済みで大きな農道沿いにあり、トラックが横付け出来てリフトで遠くへの搬送も必要なく、一人でもモタモタしなくていいので助かりました。台風による稲の倒伏も軽く済んで、夜降り出した雨が酷くなる前に、乾燥機に籾を張り込めたので一安心です。




  佐千夫と二人で水抜きをした部分も、少し脚を取られましたが無事に切り抜けました。台風が何度も襲来した2004年など、コンバインをトラクターで引っ張ったほど難渋したので、これは大助かりでした。

 9/28(水) 快調に稲刈り
  週末から天気は下り坂の予報。雨になる前に、早植えしたコシヒカリを刈り穫って仕舞いたいので、今日は佐千夫と終日稲刈り。何とか明日もう一日刈ると、6月中旬に植えたコシヒカリの稲刈りが一旦終了します。コンバインは袋取りタイプなので、我が家ではフレコンを入れてフォークリフトで抜き出し、トラックに載せて帰ります。遠方の田には同じくトラックにコンバインを載せて回送しています。














 9/27(火) 稲刈りが本格化
  台風15号がゆっくりと通り抜けたお陰で、我が家の稲刈りは少しスタートが遅れましたが、新入りのコンバインが調子よく働いてくれて順調に作業が進んでいます。今日はコンバインの上で暑いと思った程でしたが、湿度が低いのでそれほど苦にならず、籾を乾燥するのにもバーナーは使わずに送風だけで、1日半くらいで十分乾いてくれます。今の所2台の乾燥機を交互に使っていますが、2反分位の籾が処理できますので、毎日2反位を目途に稲刈りをしています。












 9/24(土) 初めての稲刈り
  台風15号の大雨で予定より少し遅くなりましたが、ようやく田面が乾いたので稲刈りを始めました。オークションで買ったクボタSR21コンバインも雨の間に整備し、引き起こしチェーンを点検するついでに前面カバーも錆を落として塗装。ついでに、コンバインから籾をフレコンで取り出すのに使うフォークリフトも、下半分を塗装して少し綺麗にしました。昨年まで使っていたイセキコンバイン1900は、既に400hを越えてかなりガタガタ。今度のクボタはまだ114hなので、この先何年かは活躍してくれそうです。













  5年前に初めてこの田を小作した時、土質や水利が全く分からないままに稲を作り始めたので、お盆過ぎからとんでも無い量のヒエが生えてきて、何度もヒエ抜き入ったのに稲刈りにも難渋するほどでした。春先の田植え直後には除草剤が効いていて、全くヒエなど見られなかったのに大変な目に遭いました。
  以来、こういう水捌けの良過ぎる位の砂地の田では、強い中干しは鬼門だと分かりました。田面が割れるほど干すと、せっかく眠っていたヒエの種に酸素が供給され、発芽を促すのでは無いかと思っています。今年は殆ど中干しらしい水の切り方はせず、8月一杯は水を張りっぱなしにしていたので、畦際に少しコナギが生えた程度。農薬と言えば除草剤を1回使っただけなのに、非常に綺麗でした。 

inserted by FC2 system