「かじや村便り」  http://www.eonet.ne.jp/~fshirai/ 平成23年4月
 
 東日本大震災で被災され、全てを無くして避難所生活を余儀なくされた人々に、何か出来ることは無いかと思案して、日本農業新聞にこんな投稿をしました。3月22日の紙面に載せて頂いたのですが、同じ事を私の得意先農家にもお話すると、「何かしたかったが、どうしたら良いか分からなかった」と、協力を申し出て下さる方が何人もありました。
 滋賀県は福島県を支援すると決まっている様ですが、福島県の受け入れ態勢が整わないから待って欲しいと言われ、今困っている人がおられるのに何を呑気な事を言っていると、派米農業研修で同期だった栃木県の松永君に相談。彼は現在地元の那須町で、那須大谷開拓農協の組合長をしており、那須町が被災者の方々を受け入れているとの事で、開拓農協の売店と那須町の道の駅に、真空パックをした5s入りのコシヒカリを置いて貰い、被災者の方には無料でお配りして食べて頂く事にしました。宅急便での配送が復活するのを待って3月末から送り始めましたが、段々と知れ渡ってきて取りに来られる方が増え、目に涙を浮かべて持って行って下さる方があると聞き、少しはお役に立てたかと喜んでいます。
 東日本大震災による福島原発の被災で、関東の電力事情が一気に悪化。計画停電などで日常生活にも不自由して、夕食をろうそくで食べていると鎌倉の姪っ子からメールが来ました。我が家の周りでも震災後は、懐中電灯など電気店やホームセンターの店頭から消えて仕舞い、何時までたっても補充される気配はありません。
 これでは鎌倉に送ってやろうと思っても直ぐに使える物は何も無いので、何か部品を組み合わせてランタンを作ろうと試作を繰り返しました。色々な部品を組み合わせてみたのですが、最終的に手に入って使えそうなのは、単3乾電池を3本使っていて小さな蛍光灯の様に見える、センサーライトだけでした。
 しかしよく見ると、センサーライトとはいえLEDで常時点灯モードもあり、小さくても何本か組み合わせたら明るさも確保出来るかと、支柱の4面に付ける事にしました。これに充電式の乾電池を充電器と共に送ったのですが、心配していた明るさも十分だとか。
 「ランタンですが、とても明るいです。ろうそくの光でおかずの中身を照らしながら、それでもよく見えずに食べていたのとは比べ物にならず、人の顔もおかずもよく見えるので驚いています。」とメールしてきました。子供達が大喜びでつけているそうです。
 安曇川沿岸土地改良区では、例年4月20日頃から水路の流量を増やして、農家の田植準備に備えます。私の作っている田では、田植えの早い地区にある1町歩ほどは、周辺の田植えが月末には始まります。我が家の田植えは1ヶ月以上先なので、田植えの準備も急ぐ必要は無いのですが、周辺の田に水が入ると我が家の小作田にも水が染み込んできて、農作業がやりにくくなります。中でも田の畦塗り作業だけは、どうしても早めに済ませておく必要があります。
 しかし今年は三月から四月にかけて雨が降らず、ちょっと覚えがないほど田畑が乾いて仕舞ったので、このまま畦を塗ってもばらばらに砕けるからと、雨を待っていました。19日から降り始めたので、少し畦にも染み込んだのを見計らって、21日から畦を塗り始めました。
 まだ十分には湿って無くて、畦はひび割れ状態。本当はレンゲの花が咲く頃に畦塗りをしたかったのですが、私だけが超遅植え田植えなので、それまでは待ってられないのが残念です。
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