「かじや村便り」  http://www.eonet.ne.jp/~fshirai/  平成23年6月
 
 「にこまる」という品種が気になって、昨年秋にようやく10sだけ種籾を入手しました。何処の食味コンテストでも上位に来るうえ、猛暑の夏にも品質の低下が少ないというので、一度自分で作って特性を把握したかったのです。得意先の農家の清水君に話すと、彼も是非作ってみたいと言うので、二人で別々に育苗する程の量は無いから苗作りをお願いしました。清水君の方で田植えが済み、苗が10枚残ったと連絡があり貰いに行くと、田植機から下ろした半端を合わせれば合計18枚近く有ったので、苗代の一枚下の田を急遽代掻きし、7日試運転に田植えをしました。道路端でもありよく目立つ場所なので、どんな育ち方をするのかちょっと楽しみです。
 予定通り10日から今年の田植えを始めました。自分で作った苗で植える時には、欠株が出ないか苗の植え付け本数は揃うかなど気になって、ちょっとした緊張感があります。5月連休明けの7日に播種し9日に苗床に置いたコシヒカリは、ようやく本葉第3葉が伸びたので、11・12日が大雨の予報もあり昨年より4日早く、初田植えとなりました。この日植えた4枚の田はいずれも市街地にあり、田植機やトラクターの移動時に集落内の道路を汚さないよう、非常に気を遣います。
 家の側で水路が無い田では地主さんの水道を貸して貰い、水田地帯ではエンジンポンプで農機の足回りを洗ってから移動しています。連休の頃なら皆が一斉に動き回るのですが、この時期には回りの田は全部植わっていて、道路を汚せば犯人は私と特定されて仕舞いますので。
 田植えそのものは非常に順調。苗が上手く出来ていると田植えに気を遣わなくても良いので、大助かりです。作った苗が100%使えるので、気分的にこれほど楽な事はありません。育苗に失敗して禿げが出来て、部分的に使えない様な苗が何箱も出来るのが普通ですが、今年は全部を田植えに使っています。こんな事はかつて無かった事なので、70才を目前にして開眼した思いです。
 梅雨入りが例年になく早かったので、ちゃんと仕事がこなせるかどうか心配していましたが、梅雨前線そのものが日本の南岸に停滞し、九州を中心に大雨を降らせましたが近畿地方では、和歌山こそ相当降ったものの北部は降ったり止んだり。雨量も大したことなくて時折暑いような日差しもあり、どうやらこの調子では此処数年無かった事ですが、7月初めには苗代仕舞いが出来そうです。
 昨年秋に荒起こしが出来なかったお陰で、あちこちの田にレンゲの花が咲きました。来年も同じように、レンゲの花を咲かせてから田の中に鋤き込むためには、ちょっとした工夫が要るようです。
 花盛りは5月中旬ですが、5月末には種が載ると思われますので、その後一度荒起こしをしてからしばらく放置。レンゲの茎がパシパシに乾くのを待ってもう一度田を起こせば、レンゲの茎が細かくなって、比較的綺麗に地均しが出来ると思われます。
 写真では、右側の田がそのやり方をし、トラクターで2度目の細土をした状態。左側の田はレンゲの茎だらけの状態を起こしたのでしばらく待って細土し、月末になりますがこの2枚の5反半の田に、山田錦を植える予定です。
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