「かじや村便り」   http://www.eonet.ne.jp/~fshirai/  平成23年10月
 
 当初は20日過ぎからかなと思っていたのでちょっと遅れ気味ながら、台風で水浸しになった田がようやく乾いたので、24日から今年の稲刈りを始めました。日中は稲刈りをしていてもコンバインの上で暑かったほど。
 9月末でこれ位暑いのに、月初めに稲刈りをする人の気持ちが分かりませんね。私が稲刈りをする頃は少々気温が高くても、湿度が低いので助かります。籾の乾燥も非常に早くて、バーナーは使わず送風だけで乾かしていても、3台の乾燥機を交互に使えば、毎日3反位は稲刈りが出来るほどです。この方が無理をしないので、絶対に米は美味しいと思っています。
 お預かりしている田の中に、伊勢神宮の神明講の田があります。元々はこの田を講の人達が皆で作って、出来たお米を神前にお供えし、残ったお米を売ってお伊勢詣りの費用に充てたのでは無いかと思うのですが、近年は講の人達で作れなくなって小作に出しておられます。
 2004年に初めてお預かりした時にはどんな田か全く分からず、田植えは何とか済ませたものの稲刈りではコンバインを煮え込ませ、最終的にはトラクターにキャリーを付けて入って手刈りを余儀なくされ、たいそう難儀しました。
 後で分かったのですがこの田は、二方が不法に宅造された高台になっていて、法面の下部に側溝が無いため宅造地の水が絶えず流れ込んでいて、全く田面が乾かないのです。代掻きに行ってトラクターを煮え込ませ、得意先の農家2人に助けて貰った事もあります。それ以来法面の下に畦を作り、宅造地からの水が田に流れ込まないようにしていますので、今年も相応の収穫がありました。実は非常に水利の悪い田でもあり、神明講の責任者の方には年貢は要らないから作って欲しいとまで言われているのですが、作らせて頂く以上は当たり前ですが、毎年年貢米をお届けしています。
 今年は春に畦も作り替えたので楽でしたが、初めて作った2004年は余りにも大変だったので、無事収穫を終えた時には佐千夫と新米を持って、伊勢神宮にお詣りに行って来たほどでした。
 天気予報を眺めながら乾燥機の都合も考え、少し早めですが18日から酒米の山田錦を刈り始めました。山田錦は非常に刈り旬が短いので、刈り取り時期の判定には神経を使います。
 2反3畝と3反2畝の二枚の田で5年前から作っているのですが、収量目標は30俵。これだけあると市内マキノ町の吉田酒造で造られる、純米酒「かじや村」の醸造原料米として充分なのです。今年は肥料設計を変えた事もあるのですが、少し稲の出来方が違っていて戸惑う事の多かった年でした。早生のコシヒカリが調子よく出来たのに、遅い物ほど段々とおかしくなって来て、天候の仕業とは思うのですがなかなか思い通りにはなりませんね。
 今年はコンバインが替わったので、穂先が私の肩まで来る長い稻藁がカッターに詰まる事もなく、順調に稲刈りが出来て予定より一日早く、二日間でこの2枚の田を刈り穫りました。これで残るは今年初めて植えた「にこまる」だけになりました。月末には刈り穫り出来るかと思っています。
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