「かじや村便り」             平成19年10月
  9月26日からコシヒカリの収穫を始めました。私のコンバインや乾燥機はそれ程能力が高くないので、1回に2〜3反ずつ刈り取り2〜3日掛かって風だけを送って乾かしています。
  普通は刈り取った籾を乾燥機に張り込み、夜の間にバーナーで熱風を送って強制乾燥し、次の日にはもう籾摺りをしてしまいます。そうしないと次の日に稲刈りが出来ないのです。
  我が家には小さいながら3台の乾燥機があり、交互に使って常温で風を送り籾を乾燥しています。こうすれば稲木に掛けてハサ干しをするのと変わらない、美味しいお米になると考えてやっているのですが。乾燥機の能力に合わせてぼちぼち刈り取りが出来る様に時期もずらし、6月から7月に掛けて25日かかって田植えをしていますが、刈り取り適期に旨く収穫が出来るかどうかは、全く天候次第。
 コシヒカリが終わると滋賀羽二重糯の収穫をします。糯米はウルチ米と混じってしまうと全く値打ちがありませんので、コンバインも乾燥機も専用の物を当てています。昨年夏、体調を壊して引退された得意先農家から、一括して全部頂いてきた農機なので、かなり型も古く整備や修理は欠かせませんが、毎年1反歩の糯米に使うのには贅沢な限り。
  しかしながら山田錦の場合は、コシヒカリと同じコンバインと乾燥機を使います。籾摺りも勿論同じ機械なので、これらを掃除して籾が混じらない様にするのは結構大変。佐千夫と2人で半日掛けコンプレッサーと掃除機で徹底的に大掃除をします。
 肝心の米の出来具合は、9月15日現在の作況指数で平年作と出たのとは裏腹に、私の周りでは余り良くありません。中に平年作を穫った人は、皆は悪いと言っているが自分は良い田やった、等と言われるほど。
  今年は年始めの占い神事で、晩生稲は下と出ていました。所が我が家の稲は遅い物の方が出来が良く、夏場の猛暑にも良く耐えて旺盛な生育ぶり。コシヒカリよりもむしろ出来が良くて楽しみにしていたのですが、9月になって秋雨前線が長期間停滞。これで一気に稲熱病が蔓延し、我が家の様に遅植した者や普通に植えても晩生の稲には、大きな被害を出してしまいました。
  我が家のコシヒカリでは、早く植えた田は被害も少なくまずまずだったのに、出穂の遅かった田では悲惨な状況でした。籾摺りをしていて、処理に追われるほど小米が出たのは、ちょっと記憶にありません。
  苗作りに失敗し田植えが遅れたのも一因ですが、肥料設計を少し変えたのも裏目に出たようです。最後に植えた家の横にある苗代地では、来年に向けて肥料設計を変えて見たのですが、此処の出来に一番手応えを感じています。播種から苗代作り肥料設計に新しい試みをしてきましたが、来年はどうやらそれらの成果の出る米作りが出来そうで、今から期待しています。

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