かじや村便
                        平成19年6月

  5月一杯掛かって作った苗代ですが、最初の「滋賀羽二重糯」が非常に上手くいったので、安心をして同じように作った積もりが、「山田錦」・「コシヒカリ」・「こしいぶき」と後になるに連れて発芽が悪くなり、田植えが大幅に遅れて仕舞いました。

  昨年夏に頂いてきたヤンマー田植機(6条植え)も、4反余り植えた所で調子が悪くなって、結局農機具店に整備をお願いしました。その間手待ちになるよりはと、昨年までのクボタ田植機(5条植え)で植えたりもしましたが、出足にもたついたものの後半は、順調に田植えをしております。

 幸い天候がはっきりしていて、降るときは朝から土砂降りになり、晴れれば夏の日差しが早朝から降り注いで、こういう梅雨は私の様な稲の作り方をしている者に取っては、天気次第で仕事の割り振りが出来て、非常に有り難いのです。

  稲刈りの済んだ秋に培養資材を撒いて田を起こし、春先には畦を塗り田を起こし直し、6月になると肥料を撒いて再度トラクターで田の表土を細かくします。

  こうすることで肥料が田の底の方まで入るうえに、田の表面にある雑草も枯らせて、田植えがやりやすくなるのですが。

 効率だけを考えると、田植えと同時に肥料を撒く施肥田植機は便利ですが、これでは肥料が土の表面にしか無くて、稲の根が土の底深くまで入りにくくなります。手間と労力は掛かりますが、水不足の懸念される夏の日照りにも、病虫害にも負けない丈夫な稲を育てる事が、安全で安心の出来る美味しい米作りの基本だと考えてやっています。

 右の写真がヤンマー田植機。20年くらい前の製品で、一度に6条ずつ植えて行きます。田植機の一番後ろにあるのが施肥機。私は使わないのですが、このプラスチックの箱に肥料を入れると、田植えをしながら稲の苗の直ぐ側に、肥料を少しずつ落としてくれます。

  苗の両側にあるオレンジ色の輪が、ロータリーマーカー。田植機を走らせながら平行して横に線を引く為の装置です。私は最初の1往復は苗を植えないで空で走り、マーカーだけを倒して次に植える時の目標になる線を付けます。植える時にはその線が田植機の中央になる様に走らせます。

  苗を一直線に植えるのには欠かせない装置なのですが、この機種が生産された頃には、この形式のマーカーは付いていませんでした。単なる棒が泥の上に線を引く様になっていたのですが、これだと泥水があれば線は全く見えなくります。クボタ田植機に部品だけ買って来て、勝手に改造して使っていたロータリーマーカーを、今回もこちらに移植して仕舞いました。この形式にしてからは少しずつ土が盛り上がり、水の中でも非常に見易くなって助かっています。
inserted by FC2 system