「かじや村便り」
                平成19年7月


  春先の天候不順で苗が十分に伸びなかったのと、私の方の農作業が手遅れして田植えを始めたのが6月15日。スタートで既に10日遅れたのが響いて、植え終わったのも7月11日と半月遅れになりました。

  田植えが終わると「泥落祭」があって、これが6月30日。田中神社の「泥落祭」祭典は1週間早く24日に行われましたが、実はその時点ではもう少し早く、月末の「泥落」には終われる予定でした。

  連休に植えた田の稲は、6月末から穂肥の時期に入ります。例年だと田植えを終わって穂肥を配達するのですが、今年はまだ田植えの最中。仕方が有りませんので田植えの方を中断して、得意先の田を見て回り稲の株を抜いて、幼穂の出来具合を確認。穂肥を撒く時期をお知らせしながら肥料を配達しましたので、7月になっての田植えになって仕舞いました。

 「平井君、もうじき穂が出るで!」と、笑いながら話しかけて来られる農家も有ったほど。それでも少し伸びすぎた苗を植え終わる頃に、得意先農家から残った苗を譲ってやって欲しいと言う話が舞い込み、軽トラで3台・合計300枚ほどが嫁入りしました。実はその前に、私自身がコシヒカリの苗を回して貰って、我が家の苗と一緒に植えておりましたので、逆に我が家の苗が残ったのですが。

  貰ってくれたのは農協に勤務する若い農家。彼の親父さんとは中学校の同級生で、先年交通事故で亡くなってからは、息子さんが4町歩ほどを耕作しています。勤務の都合でなかなか計画通りに田植えが出来ず、自分の作った苗がイモチ病に罹って使い物にならなくて、どうしたものかと苦労していたとか。

  普通の苗と比べれば倍ほどの背丈に伸びていて、育苗日数に至っては3倍近くになる私の苗が、病気にも罹っていなくてしかも、普通に田植機で植えられるのが驚きだった様です。お陰で我が家の苗で植えた田が、我が家だけでなく彼方此方にあって、何しろ7月中旬に田植えをしたのは我々だけなので、果たして秋になったらちゃんと米になるのか、皆の注目の的です。

 年末に炊飯器を買い換えた妹から、新しい炊飯器で炊くとご飯が美味しくないと言って来ました。同じナショナルの炊飯器で、普通なら色々と新しい工夫がされた新型の方が、美味しく炊けるハズ。

  何度も試したが美味しくないので、メーカーにクレームをつけたらしいのですが、結局メーカーで私の米を使って炊飯してみるからと言われ、1月7日に炊飯器事業部宛に我が家のコシヒカリを送りました。

  そこで色々と炊き比べて見て出た結論は、最近新しく開発している色々な機能は、スーパーなどで売っているごく普通のお米が、どうしたら美味しく食べられるかと言うための物で、我が家のコシヒカリの様な高品質のお米には、対応出来ないと言う物でした。

  美味しいお米なら、新型の炊飯器を使えばより美味しく炊けると思うのですが、どうもちょっと違うようです。娘の所で最近炊飯器を買い換えるのに、余りにも機種が多くて迷うと言うので、日経新聞で炊飯テストをし、評判の良かったタイガーの炊飯器の機種を教えてやりました。しかしこちらも結論は同じで、水加減を工夫し時間や炊飯モードを変えて色々な炊き方をしても、以前の古い機種の時の様には美味しく炊けないと言っています。不思議な気分です。
 



inserted by FC2 system