「かじや村便り」               平成20年5月
  好天に恵まれ、田中神社例大祭が無事に終了しました。佐千夫は小学校6年生で初めて使発走を勤めて以来、今度で5度目の大役。流石に慣れていて、落ち着いて堂々としていたと誉めて下さる方が多く、安堵しました。

  写真では分かりにくいですが、この馬に着せている装束や鞍は、我が家に代々伝わる物です。18年前、多分60年振り位に出して来て使ったときには、肝心の佐千夫が乗った時点で装束を外されました。

  本来は馬が走るので、装束は外して下懸けだけにするのが当然なのですが、もう馬は走らないで写真の様に歩いているにもかかわらず、昔からこうするもんやと聞き入れて貰えなかったのです。今では私の言い分が通り、最後まで綺麗な装束を付けていて、息子が我が家の装束を付けた馬に乗る写真を、ようやく撮ることが出来ました。

  私が子供の頃は、氏子の長男だけに許された鉦叩きでしたが、年頃の子供が居なくなって拡大解釈をし、今では外孫でも女の子でもよしとしています。

  裕大は慣れない着物姿で頑張って鉦を叩き、娘婿の禎裕君も浴衣姿で裕大に付き添ってくれ、田中神社大総代を勤めた私にとっては、一家総出の忘れられないお祭りになりました。

  連休が終わる頃には、周辺の農家の田植えもほとんどが終了します。得意先の同級生が、苗が40枚ほど余ったが誰か植えないかなあと電話をくれ、今年の耕作が急に3反ほど増えたので、私が貰って植える事にしました。更にもう1軒の得意先農家からも苗を貰い、今年は3反ほどが既に田植えを終わっています。しかし我が家の田植えはまだまだ先の事。お祭りが終わるのを待って種蒔きを始めました。

  ところが更に別の得意先農家から、苗作りを失敗したと思って蒔き直したが、何とか最初の苗と近所から貰った苗で植わったので、2回目の蒔き直した苗が大量に余ってくる。良かったら植えないかと言って来られ、我が家の種蒔きを少し減らしてその苗を頂くことにしました。こっちの苗は月末から月初めに掛けて植えられます。

  こうなると我が家の今年の稲作はとんでも無く複雑になりそうで、片方で種を蒔きながら田植えをし、苗代の管理をしながら更に植える事になって、従って収穫の時期も相当ややこしくなりそうです。

  多分9月の初めから稲刈りが始まり、10月の終わり頃までダラダラとした刈り取りシーズンが続きます。常識的には同じコシヒカリでも、7月末〜8月初めに出穂し9月初めに刈り取った米よりも、10月になって収穫した方が美味しいと思うのですが、今年はそれが我が家で確かめられる、変な年になりそうです。

  7月3/4日には、全国肥料商業組合連合会の全国研修会が滋賀県で開かれますが、農家代表?と言う立場で「安心・安全な米つくり」と言う題目のお話をする事になりました。話だけでは私の稲作を理解して貰うのは不可能なので、撮り貯めた写真の中から何枚か選び、パワーポイントでスライドショウの形に編集し、全国から来られる肥料屋さんに見て頂ける様準備しています。
inserted by FC2 system