「かじや村便り」       2008年 平成20年 6月
 前後は酷い雨だったのに1日は好天に恵まれ、田中神社役員で神社所有山林の踏査に出掛けました。この写真は阿弥陀山山頂付近から、足元に広がる泰山寺野と、その向こうに薄く見える安曇川の三角州平野を写したものです。

 我が家は一段下の平野にありますが、丁度泰山寺野との境界辺りにあって、澄み切った秋晴れででもないとちょっと分かりません。

 得意先農家から頂いた苗では5月中にかなり植えましたが、我が家の苗ではようやく16日に、最初のコシヒカリを植えました。苗箱に70gの種を蒔いて有るのですが、苗立ちが悪くて薄蒔き苗が更に薄く、しかも5月・6月に雨の日が多くて日照不足だったためか、どうも少し軟らかい様です。生長も例年より遅く、普通は4葉が完全に展開してから植えていますが、これでは6月中に終われませんので、早めに植えています。

 上の写真では、一番手前の山田錦などは少し短かったものの、何枚か苗箱を残して5反半を23日に植え終わりました。昨年と比べると上々の出来です。
と言ってもヒヤヒヤもので、何しろ私が田植えをする時期には、殆どの農家は田植えを終わっていて、苗を持っている農家は有りませんので。取り分け山田錦などの特殊な品種は気を使います。秋の収穫まで大事に育てて、来春には純米酒「かじや村」の美味しい新酒になる事を期待しています。

 右の写真は、昨年余りにも出来の悪い苗で、地主さんの家の目の前だっただけに、非情に恥ずかしい思いをした田です。しかし今年は大丈夫。私の作った苗ではなくてその点は少し気になりますが、まずまずの生長をしています。

 写真では分かりにくいでしょうが、「こんなに薄くて大丈夫?俺の頭より薄いよ」と心配して、メールをくれた友人がいましたが、例年こんな調子なのです。隣に植わっている5月連休の頃に植わった田と比較するまでもなく、友人でなくてもこれで大丈夫?と見ている人は多いようです。そして1ヶ月もすると周りの田に追いつき、秋には追い越して立派な稲になる事を知っておられる方も多いのですが。

 田植え期間が長かったため、田植機やトラクターで調子の悪い所を修理する時間が取れ、以前に、上下2枚に別れていた田を1枚にした所も、気になっていた高低差の残っている部分を更に均しました。上下に分かれていた所を一気に1枚に直すと、上の田の土を全部下の田に移動させる事になって、高かった上の田は殆ど作土が無くなって仕舞います。2年経ってもう一度手直ししたのはその為ですが、これで殆ど高低差を気にしなくても良くなりました。それでも元々高かった水口に近い方は、明らかに床土が出て土の色も違って茶色く、土質もガラガラ。最初の頃は、これで旨く苗が刺さるかなと心配な程でしたが、堆肥や耕土培養資材を毎年入れ続け、出来る限りの土造りを心がけていますので、少しずつですが年々良くなっているのが分かります。

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