「かじや村便り」            平成21年 2009年11月


 天候不順で秋晴れの日は長続きせず、雨を挟んで25日と28日の2回に分けて、山田錦の稲刈りをしました。穂が出揃うのは9月10日頃なのですが、穂肥を入れる直前の7月末から8月初めの週が大雨続き。伸びすぎての倒伏とイモチ病が怖くて、とても肥料を振る勇気は出ませんでした。
  それでも稲は場所によっては私の脇の辺りまで伸びていて、藪の陰になる所などはかなりの高さ。お陰で倒伏の心配は有りませんでしたが、毎年と比べると穂が小さく稲も突っ立っていてガックリ。それでも長い稲藁にコンバインのカッターが何度も詰まり、えらく時間が掛かりましたが無事終了しました。

 月が変わっても秋晴れにはならず、珍しく乾燥機のバーナーに火を入れました。山田錦は米粒が大きく籾摺りにも苦労するほどで、コシヒカリと比べると3倍ほど時間が掛かりましたが、稲の姿からは予想だにしなかった30俵を収穫。丁度純米酒「かじや村」を醸すのに必要な量は確保しました。

 15日には、海外農業研修のOB会・滋賀県国際農友会の会員交流会で、東近江市の永源寺に行きました。日差しが無くて肌寒かったのですが、そんな事は素晴らしい紅葉に圧倒されて、何処かに吹き飛んで仕舞いました。まだ緑の色濃い木が有るかと思えば、もうすっかり色付いて今が盛りの紅葉まで、とても言葉では言い表せませんね。日々の喧噪を忘れさせてくれる、素晴らしい一日になりました。

 次の日調子に乗って、5月にバスケとスキーのOBを案内した、朽木の興聖寺にも行って来ましたが、こちらは拍子抜けするほどで、観光バスが来ていたのが不似合いな気がしました。 21日には例年通り、長野県に友人のお墓参りをしましたが、場所によっては霜に当たって変色した様に、すっかり茶色になって落葉している木や畑の小菊が目立ちました。それでも待ち合わせた友人が来るまでに少し時間があって、初めて覗いて見た上山田温泉・佐良志奈神社裏の紅葉は、私が抱えきれない程の大木で見事な色付き。永源寺の様な繊細さは有りませんでしたが、そのボリュームたっぷりの紅葉に圧倒されて仕舞いました。

 23日に行われた「たかしま産業フェアー」には、吉田酒造も出店すると云うので、手伝い方々出掛けて来ました。純米酒「かじや村」こそ有りませんでしたが、大吟醸「花嵐」も並んでいて、来合わせた西川市長に瓶の裏のラベルにある私の写真の意味を説明。市長は高島高校バスケ部の後輩なのです。

 吉田酒造の専務・肇君と雑談しながら店番をしていると場内放送で、「花嵐」用の山田錦を一緒に作っていた、吉原紘二さんの名前が呼ばれました。

 慌てて米コンテストの表彰が行われる舞台に駆けつけると、なんと紘二さんの出されたコシヒカリが最優秀賞でした。30年あまりのお付き合いで、今年の肥料設計は一発肥料の住友化学・スーパーSRコート(M)。後で聞くと、食味計の審査では3位だったのが、会場で試食した審査員の投票で甘味があると逆転し、見事に最優秀となったそうです。官能検査で勝ったのは本物の証ですね。

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