「かじや村便り」           平成21年 2009年 6月
 27日から眞光寺の鐘楼建立が始まりました。苗代作りに忙しい時期でしたが、大工仕事はほんの数日で終わって仕舞います。毎日の変化も大きいので、仕事の合間を縫って写真を撮りに日参しました。
 実は何時から工事が始まるのか、全く何も聞いていなかったので、田からの帰りにトラクターの上でクレーンが立っているのを見つけ、慌ててカメラを持ってお寺に駆けつけました。既にかなり出来上がっていて、どうにか梵鐘を吊り下げる現場に立ち会う事が出来、6月1日には大工仕事も仕上がって、屋根瓦も先日葺けました。
 肝心の苗代は、コシヒカリの2岸目が何故か発芽が悪く、極端に薄蒔きに成ってしまって心配しています。他の苗はまずまずで、昨年・一昨年と失敗したのと比べると、出来は良い方でしょう。
 7日に田植えを始めました。従兄が8条植の田植機に乗り換えたので、それまで使っていた5条植の方が不要になったからと譲ってくれました。早速少し改良して、以前使っていたロータリー式マーカーを取り付けて使っています。昨年までのは同じヤンマーですが、6条植ながら植え付け部はクランク式でした。今度はロータリー式になっているせいか、植わるのが非常に早く感じられます。
 田植えの色々な作業の中では代掻きが一番難しく、これまで佐千夫にはやらせていませんでしたが、今年から少しずつ慣れさせています。まだ1枚の田を最後まで仕上げたことが無いのですが、段々に慣れて上手になってくれる事と思っています。
 田植えの方は、曲がって植わると何時までも証拠が残るからと、これまで嫌がってやりませんでしたが、最初だけ線を決めてやって、後は出来るだけ口を出さずに見守っています。私の世代は、親が機械に乗らなかったので手本も無く、皆がそれぞれ工夫をして自分でコツを覚えたのですが、その点では今の子供達の方が、返ってやりにくい事でしょう。
 昨年7月8日に植え11月5日に収穫したコシヒカリが、甘味があって非常に美味しかったので、今年は減反の田の隅に少し植えるのではなく、何時でも田に水を入れられる我が家の自作地は、全部この超遅植えコシヒカリにしようかと思って準備しています。6月13日に苗代に下ろし、7月に入ってからぼちぼち田植えをする予定ですが、11月になって何反ものコシヒカリを収穫する農家は、少なくともこの辺りには居りません。早生品種のコシヒカリは、本場の新潟でも収穫は9月か10月。もしかしたら日本一遅いコシヒカリとなるかも知れません。
 何としても美味しいお米を作りたくて、今年は超遅植えを試すのと同時に、施肥設計も少し見直しました。肥料の価格が高騰し、取り分け燐酸肥料は異常な値上がりをしていますが、美味しいお米には欠かせないからと、今年は天然のグアノ燐酸も入れています。南洋諸島のサンゴ礁や魚貝類、海藻と海鳥の糞が混ざり合い、長い年月をかけて化石化した天然の有機リン酸肥料だとの事です。以前は骨粉を使っていましたが、狂牛病問題で使えなくなり残念に思っていました。今年のお米が一味違って、より一層美味しくなることを願っています。
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