平成12年 2000年 12月
 11月28日まで和歌山で、来年米国に派遣する農業研修生の渡航前講習を担当していました。19〜30才の若者達(男子35名・女子12名)と14泊15日の間寝食を共にし、朝は5時半から始める早朝トレーニンクから、日によって午前が英語・午後はトラクター運転、夜が日本農業について等の講義が9時までと、終日彼等に話し掛ける様な日程が続きます。毎年少しずつ若者の気質が変わって行くこのを感じていますが、今年は特に大きな変化がありました。声を出さない、返事をしない、挨拶が出来ない、表情が変わらない、体力の低下、などなと。このまま行けば一体どうなるのか、でも、だからこそ米国研修が大事になるのかも知れない、と思っています。
  我々の時代もそうでした。しかし、35年経っても相変わらず英会話は苦手。英会話を学校の授業とは別に習った者以外は、大学生でさえも殆ど話せません。日本の英語教育は何十年も、話すと言う部分に関してはちっとも進歩していない様に思います。
  12月3日、父の13回忌に合わせて母の米寿の祝いをしました。子供4人に孫が12人いるのですが、都合で出席出来なかった孫3人以外が全員集まって、楽しい一日でした。父親の時も母親にも、実は還暦の祝いなど全くしてやれ無かったので、初めて子や孫が一同に会したのですが、母は勿論集まった者にとっても、時にはこういう集まりもいいものだなこ言うのが実感だったと思います。
 米国で研修をしている頃、冬場は農家は時間的に余裕があるため、しょっちゅう家に集まって小さなパーティーをしていた事を思い出します。時候が良くなると今度は親戚に声を掛け、手分けして作った料理を持ち寄るピクニックをして浜辺で半日を過ごしたり、誰かの誕生日だとかクリスマス・サンクスギビング(感謝崇)など機会には、かなりな人数が集まって、食事をしお喋りを楽しんでいました。日本では、お正月・お祭り・お盆などと、昔なら田舎へ帰って皆が一緒に過ごす機会が多かったのに、最近は皆忙しいと見えて親戚はもとより家族でも、なかなか全員が集まるという事がなくなりました。
 キリスト教徒がそんなにいるわけでも無いのに、クリスマスだけが毎年賑やかになり、お正月やお祭り・お盆など、日本の伝統的な行事がさびれて行くことを、おかしいと思っているのは私だけでしょうか。

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