平成12年 2000年 7月
  梅雨らしい梅雨にはならず、梅雨前線が停滞していると云いながら、ほとんど雨が降ったという記憶が無いままに、夏になって仕舞いました。内モンゴルでは猛烈な暑さが続き、土地が砂漠化しているという報道も有ります。
  6月下旬まではむしろやや遅れ気味に生育していたのに、稲が穂作りにかかる頃からどんどん生育が早まっています。昨年は8月10日頃に出穂した我が家のコシヒカリも、今年は少し早まって穂を見せそうです。5月の連休に田植えをすると、7月下旬の一番暑い時期に出穂し、これが原因で昨年は米の品質が悪くなったと云われています。そのため京都府や島根県など幾つかの府県で、5月中・下旬まで田植えを遅らせるように指導されている所もあります。しかしながら地球温暖化がこの様に急速に進むと、この方法も余り期待出来ないかも知れません。平成6年も似たような高温乾燥化した年でしたが、当時はまだ町の消防団長をしていて、何度も熱気の中を消防車で走り回った記憶があります。しかしながら前年の平成5年度産が史上まれに見る米不足の年だったためか、まだ米の品質は余り問題になりませんでした。あの頃よりはまだ一段と、状況は悪くなっているのでしょうか。
  連休に田植えをした農家の、例年よりも株の張りが大きく背丈も伸び気味で、少し軟らかく生育している稲を見ていると、カメムシが異常に発生しているとの警報もあり、今後に予想される台風の影響がどのくらいになるかなど心配もしています。全国的にはあまりイモチ病発生の警報が出ていない中で、昨年牛糞を大量に投入した隣村では、どの田も色が濃く部分的には酷くイモチ病に冒されています。牛糞を投入すると土は肥えますので、お得意先の農家には春先に田の一筆ごとの状況を報告して貰って、施肥設計書をお渡ししています。対応を誤ると飛んでも無い事になってしまいますので。
  どうしようも無くなってそれでも心配で心配でと、これまで取引の無かった農家から電話を貰い、先日も隣の朽木村の農家の田を見て回りました。来年は最初から施肥設計を任せて貰うことになりましたが、手当の方法が無いわけでは無いのですが、80才近くで機械も使えない老夫婦に、やって頂ける事は限られています。部分的には倒伏するだろうと、覚悟はして貰っているのですが。
  我が家の田の稲は、機嫌良く生育しています。畦草の生育に負けないように、涼風に吹かれながら草刈りをしていると、あちこちの田からエンジンの音が聞こえてきて、田舎の夏の風物詩という気がします。ペットボトルにポカリスエットを薄めに作って、前夜から冷凍庫で凍らせ何本も持って出掛けるのですが、氷が溶ける始めの内は味が濃く、段々と薄まって水になるのを防ぐため、何度か継ぎ足して少しずつ凍らせています。

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