平成12年 2000年 9月
 9月中旬過ぎから収穫作業を始めるとなると、毎年1つや2つは台風の来襲を心配しなければならす、どうしても早め早めに作業が進んでしまいます。地球が温暖化し5月の連休に田植えをすると、まるで九州で稲作をしている様だと表現すると、分かって頂けるがと思います。猛暑の夏に稔った米は8月終盤から刈取りが始ります。胴割れをし味も乗りません。今年は11日からの大雨を前に、家の周りのコシヒカリは全部収穫が終り、残っているのは我が家の田だけという状態。実はこの東海豪雨の最中、来年度海外に派遣する農業研修生の選考試験で名古屋におりました。帰って見るとさすがにあの大雨には耐えられず、「まなむすめ」も「コシヒカリ」も弓なりに到伏してしまいました。
 「ひとめぼれ」の袋に入れてお送りしている「まなむすめ」は、品種的には同じ宮城県で作られた兄弟分なのですが、収量は非常に良くて驚いています。お食べ頂いた評判をみて、来年も作るがどうかを決めたいこ思っています。遠慮のない所をお聞かせ下さい。秋の虫の声が喧しい程に響きます。大陸の高気圧が張り出して随分涼しくなりましたが外での農作業はまだまだ暑く、一番こたえる籾のトラックへの積み込みと乾燥機への張り込みを、何とか出来ないかと考えておりました。
  フォークリフトを使っているという雑誌の記事を見て色々考えたのですが、我が家の田ではリフトは寄り付けず、トラックに小さなクレーンを付けて見ました。自作も考えたのですがここは専門家の知恵を借りようと、和歌山の研修生の後輩の藤井君の兄さん(藤井工作所経営)にお願いしました。とりあえず基本型だけを作って頂き、危険回避の意味もあってなるべく派手な色の方が良いとの助言で、本体を山吹色にし台は濃い目の茶色に塗りました。取り付けなど後は色々工夫して、なるべく格好よく見えるように、ベルトで吊ったり引っ張ったりしています。最後の仕上げに FUJII MlNI CRANE HS225と書き入れる予定。HSはヒライ・スペシャル。225は225Kg位は吊れる筈という程の意味です。
 18日、少し段差のある町道の歩道から吊り上げて見ました。幾つが直したい所を発見しましたが何とか使えそうな感触です。道の反対側で鉄骨の豪を建てていた4人の作業員が、何とも不思議そうな顔をしてじろじろ見ていたのが愉快でした。乾燥機への張り込みにはフォークリフトを使います。これは楽。ものの2分程で1袋の籾が乾燥機に吸い込まれます。1反の籾を、800kg入りのクレンバック4袋に分けて入れてトラックで運びますが、昨年までは、35〜40個の小さな袋に入った籾をトラックから抱えて下ろし、チャックを開けて出していました。総合的な時間は変わりませんが、体が楽なのと何よりも遊び心満点で仕事がはかどるのが楽しみです。

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