平成13年 2001年 11月
  一日ごとに冷え込みがきつくなって、北国のメル友から初雪の便りが届いています。暖地の和歌山で、34人の若い研修生と過ごした半月の間に、私の体は雪国の人間だと言うことをすっかり忘れてしまったらしく、風邪を引かぬよう少し多めに着込んで、本業の仕事に戻っています。どうも留守にしていた間は好天気が続いていた様で、周りの農家は殆ど田の秋起こしを済ませていました。後少しの間、時雨が来ないと良いのですが。
  派米農業キチガイ講習と呼んでいる和歌山講習が、14泊15日の期間中で最高潮を迎えるのは、今年も高野山参拝登山でした。6時11分、かつらぎ町にある紀北青少年の家を出発。先回りした研修生OBの車から、飲み物やバンを補給し休憩を取ること4回。弘法大師が通ったという町石道を経由し、12時12分に、高野山大門に到着しました。公約として、6時間ぴったりのペースで先導するとあらかじめ言って有ったのですが。
  地球温暖化の影響からか、時期的に少し遅いかと思っていたのに、金剛峰寺の周りの紅葉は少し散り始めた所で、日本各地から来ている研修生や、手伝いに来てくれた9人のOB研修生には、最高のもてなしが出来ました。秋田から特別参加したドイツ研修のOBの由利君は、私が欧州講習を担当していた平成6年からず−と講習助手を務めてくれていて、初めて和歌山の講習を見に来ました。何でも高野山金剛峰寺は願い寺の総本山だとかで、手術をして入院しているお婆さんへの、何よりの土産になると喜んでくれました。
  昼食は、かつて昭和天皇が高野山に来られた折りに、調理を担当したという「花菱」でした。例年は研修生が凄く感激してくれるのに、その夜の感想文にも余り触れた者は無く、おかしいと思ったら前日と前々日に、泊まりがけでOBの農家に実習に行って、思い切りご馳走になっていたのが原因でした。最近では2年前にも行っていて、併せると3・4回は行ってますが、昨年まで恒例のように行っていた「大明王院」より、どうも美味しいんじゃ無いかということを皆で再確認。来年の分も予約してきました。
  研修生は、 往復30km程の山道を歩いて登り、3時半に解散を掛けると帰路の15km余りを走って帰ります。私は3年前に女子研修生の伴走で走って以来、無理をしないようにしていますが。女子も元気の良い子は走ります。今年は7人の内4人走りました。一番遅い子でも6時半頃には帰り着きましたが、ゆっくりとした走りっぷりながら、一度も休まず3時間を走り通したその子の頑張りには、伴走していて頭が下がりました。
  講習には、今年6月に帰国した研修生が2人全期間張り付いてくれ、早朝5時半からのトレーニングも、私の様に手抜きせず全部研修生と同じにやってくれ、非常にい講習になりました。最後の夜は部屋ごとに出し物をした後、一人一人が感想や決意を述べ、私も珍しく自分の若い頃の話をしました。開講式の後全員が輪になり、研修生ソングを唄った後、一番出来なかったが一番頑張った沖縄の研修生が代表で、英語で私にお礼の言葉を言ってくれました。リーダーに指名する者も目星が付いて、良いグループになりそうです。

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