平成13年 2001年 3月
  和歌山の紀三井寺で、平年より5日早く桜の開花宣言が出ると、我が家の紅梅が待ち兼ねた様に散り始めました。昨年は2月末になっても雪が降ったのに今年は殆ど降雪がなく、その分雨が多かったのか琵琶湖の水位はかなり高い様です。山に雪が少ないと、梅雨時期の雨次第では琵琶湖の様な大きな水瓶でも、夏場に必要な水量が確保できるとは限らず、下流の京都・大阪にとっても心配な事態になります。
  3月になって比較的天候に恵まれ、ぼちぼち農作業が始まりました。この週末からトラクターによる田起しと苗代作りが本格化します。しかしながら今年も更に作付制限が強化され、減反率は30%を越えてしまいました。これでは3年に1度農業をしないのと同じ事になります。農産物の輸入が自由化され、米の輸入量が生産量の7%程になります。農家としては何となく割り切れない気持ちです。
  何でも国産が一番良いなどとは言いませんが、英国から広がり始めた□疇疫の問題も、グローバル化された農産物の移動が原因で、瞬く間に世界中に広がる気配さえ見せています。改めて身土不二という事の大切さを痛感させられます。人問は生まれ育った土地の、一里四方で採れる食品を口にするのが一番良いとも言います。残念ながら私の住むこんな田舎でも、今ではそんな生活は夢物語と言わざるを得ないほど、自由化とグローバル化は進行しています。
  食物に季節感が無くなって、イチコの最盛期は果たして何時なのかと考え込んでしまいます。消費者に珍しいがられる位の物を作らないと、農家は生きて行けないと言うのもおかしな話なのですが。本来なら時期時期に合った作物を作り、消費者に提供する事が農家の使命だと信じていますが、米以外の農産物ではそんな言い分も通じなくなって来ています。ホウしンソウの栄養価が半減しているとの報道も有りました。せめて米だけは頑張って、新米が穫れる秋を心待ちにして頂ける様な、そんな農業をしたいと考えています。
 2月28日ハワイから、昨年送り出した研修生が帰って来ました。キラキラと輝くような目をして、思い出話を一杯してくれる研修生達を見ていると、若さに圧倒されます。 3月6日には、アメリカ本土とハワイで研修する次のグループ22人を送り出し、15日から21まで和歌山で、6月から2年間アメリカへ研修に出る、21人の若者の講習に当たっていました。海外研修に出発する前の研修生と、帰国直後の研修生を比べると、その差の大ささに感動を覚えます。他人の飯と食うと言いますが、言葉の通じない異国で、1年あるいは2年間頑張ってきたその証なのでしょう。 30数年講習を担当し付き合って来た研修生は1500余人になりますが、自分の子供達が行こうとしないのが残念です。
  飯山国体の結団式の模様を伝える、京都新聞の切抜きです。
宣誓をする選手と京都府の旗の間に、私の姿が確認出来ましたので、
少し引き伸ばして入れて見ました。

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