平成13年 2001年 5月
 子供の頃は近隣の集落でまちまちにお祭りが行われていて、お禁リのある親戚を何軒も回って、5月は半月が過ぎたものです。3年前まで1日に行われていた田中祭もお祭りの役に当る者が勤めを休めないからと、連休の真ん中の5月4日になりました。それでも春の農作業の真っ最中である事に、変わりは有りません。4月が比較的温暖に推移したお陰で苗が順調に生育し、滋賀県も高品質米を生産するために、田植え時期を月半ばまで遅らせる様に指導し始めましたが、全く効果は見られませんでした。田植えを遅らせるどころか連休前に一斉に始まり、お祭りの頃には殆ど終盤と言う有様。私はお祭りが終わるのを待って種蒔きをし、10日から苗代を作り始め15EIに終わったのですが、側の道を走る軽トラックなどはわざわざスピードを落として、何か不思議な物を見るかのように脇見して走り過ぎる有様。私がその苗代で仕事をしているのさえも気付かす、何で今頃苗代を作っているのか、もう田植えをしている者さえ少なくなって、田植えも終盤に差し掛かっているこの時期に、とでも思っていたのでしょうか。
  幸い私の苗代は極めて順調で、むしろ例年以上の出来具合。播種して苗代に設置するまでのほんの2〜3日の間に、もう種は白い芽を伸ばし始めていて、苗床に置いてからも同じく直ぐに、緑色に変わった葉が逞しく伸びています。今年は苗箱に40グラムの種を手動で蒔きかけたのですが、途中から昨年同様自動の播種機を借り、60グラム蒔きの特注のギアを別の得意先農家から借りられたので、大半を60グラム蒔きで終了。殆どの農家が120から150グラムの種を蒔きますが、お陰で太い芽が伸びています。来年からはお礼を払ってでも、この手でやろうがこ思案中。
  4月に引き続き5月も高温小雨の傾向にあり、このまま順調にゆけば例年より少し遅れますが、6月の初めには田植えを始められそうです。好天に恵まれ、お祭りは無事に終了。2日は南市の惣社神社で幟立て。3日が宵宮で9時から湯立てと惣社神社の祭礼。2時から傘鉾を持って町内を練り歩き、夜は宵宮太鼓で慶事の有った家を中心にお祝いに回ります。我が家は区長と言う事で、10人余りの中年の浴衣の一団が9時過ぎに来て、伊勢音頭を唄ってくれました。明くる4日は10時から神社で、羽織袴姿で祭礼に参加。1時には我が南市の傘鉾を率いて再び神社へ。2時前に他集落の傘鉾と合流し役篤共々宮参り。そして5日には幟を降ろし午後は再び田中神社で後宴祭。直会で散々飲んで、これでようやく全部の行事が終了です。
  田舎も年々少子高齢化しているのは知っていましたが、昨年一年間に南市で誕生した子供は僅かに一人だったと知って、愕然としました。お祭りの鉦叩きには、幼稚園児位の年齢の子が2人その役に当たりますが、今年の当番になった南ノ町は、南市の中では一番人口が多い筈なのに、この2人の子供を頼むのに苦労したと聞いています。安曇川町全体の65歳以上の人口が20%を越え、この傾向はますます強くなって行きそうです。

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