コシヒカリ便り                  平成14年4月

  2月の初めにようやくインターネットへの接続が完了し、何とかEメールの送受信が出来る様になり、遠方でつい手紙を出すのも億劫になって、疎遠にしていた仲間や友人と、手短に連絡が出来るようになりました。とりわけヨーロッパやアメリカで実習中の農業研修生や、研修生OBで再度渡航して現地に在住する者達と、まるで直接話しているようにやり取りできるのは、殆ど信じられない世界です。
  プロ野球では、阪神が好調なスタートを切って、お陰で忙しくなりました。ヨーロッパ支部に勤務する花澤君は、私同様にタイガースファン。勝った試合は出来るだけ詳しく、試合内容をメールで送ってやりますが、昨年と比べると今年は異常に回数が多いのです。アメリカでも私の配属先だった農場に、愛知県の横山君が配属になり、早速農場や農場主一家の様子を知らせてくれました。現在の農場主は私と同年。私が研修生だった頃のかつての農場主は、私の母と同じ90歳。いずれも皆元気の由、まずは一安心です。他の農場からも、休日にボスのコンピューターに日本語変換ソフトを入れたと言ってきたり、逆に入って無いから「よみにくくてすみません」と、平仮名ばかりでメールが届いたりします。写真を貼付して来るのも有って、非常に楽しみです。
  21日、奈良県西吉野村在住の研修生の後輩・西岡君が結婚し、大阪へ行って来ました。相手の娘さんは横須賀の出身。大阪在住のお婆さんが、何年も前から西岡君の農場へ柿を買いに見えていて、彼の人柄を見込んで孫娘を連れて来られたのが切っ掛けだった様です。今度結婚しますから披露宴に出席して下さいと言われ、喜んでOKの返事を出しましたが、相手の方を連れて挨拶に来ると言うので、遠方でも有るし3月の講習の時にしようと、和歌山県の紀北青少年の家で初めて会いました。終始ニコニコとしてしかもしっかり者という印象で、縁とは言え都会育ちの、歯科衛生士をしている様な娘さんが、良くまあ西吉野の山村に嫁に来てくれたものと、非常に嬉しく思いました。農業後継者に嫁が来ないと言われて久しく、農家の娘さんでも農家には行かないと言うのに。
  結婚式は教会の牧師様の元に執り行われました。アメリカで2年間を過ごした研修生だから、結婚するならという思いが何か有ったのでしょう。同じ西吉野村から、何人ものさわやかな印象の若者が出席し、祝ってくれたのも印象的でした。
  3月一杯で南市区の区長の任期が終わりました。2月の選挙で次の区長に当選した同級生に、昨年1年間に作成した100以上の文書を、フロッピーで渡して引継をしました。昨年5月に10年ぶりに調べなおした区民台帳も、全部コンピューターに入力。プライバシーを侵さない程度に、家族構成や番地・電話番号、生年月日や勤務先など、いろんなデータを入れて有ります。明治生まれは13人。大正生まれでは私の母が一番年長。1月1日生まれは集落に4人。等々。調べてみて改めて、年寄りだけの家庭の多さに驚いています。少子高齢化がデータの上にハッキリと示され、10年先が怖いような気持ちです。

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