コシヒカリ便り              平成14年7月号

  7月に台風が2つも本土に近づくのは異例の事だった様ですが、幸いに関西直撃を免れました。まさか来ないだろうと思って、準備をしないで被害を受けるよりはと、肥料や農業機械を入れているシートハウスに、風を入れないようガムテープまで使って目張りをし、家の二階の窓には雨戸まで閉めて、お陰で無事にやり過ごしました。一番新しい建物でも築42年。古い母屋は100年を越えます。雨戸もサッシでは無いのでガラガラと閉められる訳ではなく、準備が大変なのです。台風が来るのは仕方ない。しかし自分の所を通るのだけは避けて欲しい。最後にはそんな風に祈るより無いのですが。
  和歌山で桃を作っている宮村君や根来・渦川君、千葉で梨を作っている藤代君など、台風の通り道になった仲間の事はやはり気になります。海外へ農業研修に行った仲間だけでも、全国に13,000人余り。我が家に桃や梨を送ってくれる上記の後輩だけでなく、渡航前の講習で、私が直接担当した者だけでも1,500人を越えます。つまりは台風が何処を通っても、仲間の誰かが被害を受けているのじゃ無いかと思うと、心が痛みます。
 我が家の稲は回りの田と比べると、例年にない位の勢いで、田植えから1ケ月と約半分の時間で追いついた感が有ります。もっとも見かけの姿だけで、中身はこれからですが。
  5月上旬に植わったコシヒカリが、方々の田で出穂を始めました。今の時期に穂が出るとこの暑さですから約30日で稲刈りになります。つまりは、我が家の稲がようやく穂を出し少し傾き掛ける8月の、お盆過ぎにはもう新米が穫れる事になります。コンバインの上でエンジンの熱風に曝されながら、稲刈りをするのは苦行に近いものが有りますが、何故か田植え時期を遅らせて私のように、9月下旬にコシヒカリの稲刈りをしようという農家は現れません。その内コンバインの上で、「熱中症でひっくり返るぞ」と警告しているのですが。田植えを遅らせると台風の被害を受ける。台風シーズンの前に収穫したい。そんな理屈を並べる者もおりますが、所詮は皆と同じ事をして安心したいだけでしょう。私の様に特別変わった事をするのには、かなりの勇気とそれを裏付ける知恵が必要に成ります。幸いに全国にいる仲間から、色々な情報が集まります。これが無かったら、勇気だけでは出来ないかも知れませんね。
  「住友化学」は私と取引の有る肥料メーカーですが、インターネットで情報を配信するので、何としても接続して欲しいと要請されています。土壌分析を依頼するのにも、インターネットでの申込が基本に成りました。会員制ですが「肥伝書」と言う名で、肥料の使い方や作物の作り方を公開しています。23日、大阪の住友化学本社で、この二つの使い方の講習会が有りました。我が家も入会はしていますが、今はまだ使いこなす所までは行っ
ておりません。近々ADSLに依る接続になりそうで、そうなれば定額で常時接続が出来ます。電話代を気にせずに使えれば、世界はまた広がりそうですが、そうなれば時間は幾ら有っても足り無くなります。
 スキー連盟は今期が役員改選の年になり、3期6年勤めた競技部長を辞任しました。引退を考えていたのですが、田中副会長が会長代行に就任され、会長推薦の理事として復活を命じられました。総務部副部長として、もっぱら田中会長代行のお抱え運転手を勤める予定をしております。

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