平成16年11月
家の側の田を刈る佐千夫
 稲刈りが始まる9月から10月に掛けて、立て続けに上陸した大型台風のお陰で、乾いたと思ったらまた降る雨にコンバインでの収穫作業は、何処の農家でも大変でした。水捌けの良い田は心配ないのですが、中には隣の高い田から水が浸みてきて、ほんの2mほどの幅に酷く時間を取られ、時にはコンバインを煮え込ませて難儀する事もあります。22号台風が大量の雨を降らせ、まだ十分には乾いていないのが分かっていても、次の23号台風の前に刈り取れたらと入って、結局コンバインをトラクターで牽引し、挙げ句は途中で稲刈りを中止。台風の雨が溜まったコンバインの轍から、ポンプで水を抜くのに息子と2人で2日掛かりと言う事も有りました。 

 「コケヒカリ」とまで言われる程倒れやすい「コシヒカリ」は、こんな年には穂肥のやり方を間違うと、倒伏した上に雨が載ってとても収穫どころで無くなって仕舞います。勿論こんな風に倒伏した米が旨いわけは有りません。猛暑に台風と、稲作だけでなく農業全体に大変な年でした。幸い我が家では田植えを遅らせたのも良かったし、肥料商が自分の田の稲を倒していては、幾ら何でも沽券に関わりますので、そこはまあ「さすがやなあ!」と褒めて貰っておりますが。
派米農業研修・西日本講習所の研修生とスタッフ
 10月26日からは湯布院で行われている、派米農業研修・西日本講習所を手伝いに行ってきました。私の担当する和歌山講習所が閉鎖になり、まだ行ったことの無い大分に是非にと志願して助手をしてきました。由布岳と湯布院の町を遠くに見る、素晴らしい景色の青年の家で、顔なじみの講習スタッフと一緒に私も英会話を担当し、農家実習では後輩の農場を訪ね、1日休みを貰ってスキー部の後輩が経営する、福岡の乗馬倶楽部にも足を運び、往復のフェリーも楽しく非常に充実した1週間でした。

 11月16日、夜行バスで上京。早朝新宿に着いてそのまま千葉県流山市の派米講習に参加し、2時間ばかり英語の講義をしてから東京へ引き返して会議。次の日も午後一杯会議をしてまた夜行バスで帰り、20日には例年通り、長野へ同期の派米農業研修生・五郎のお墓参り。今年は初めて熊本の出田さんが、遠路を電車を乗り継いで参加してくれました。飛行機の便が都合良くなくて、前日松本の同期・百瀬君の家に泊まり、明くる日は同じく同期の田中君の車で3人が来てくれました。

  なかなか乾かない田にイライラしながら、まあ自然には勝てないかと次の策を考えています。来年は少し田が増えそうなので、その準備も心づもりもしておかないと。いい年にしたいですね。
秋色の豊後富士・由布岳
                                   
                                       平井肥料店・平井農産 平 井 貞 夫

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