平成17年12月
  一年を振り返って見ると、台風と台風に伴う大雨とに振り回された印象が強く、統計的に見れば雨量は平年の113%と言われても、全く実感が有りません。空梅雨と言っても今年は極端で、殆ど降らなかったと言っても良く、これで夏場に日照りが続けば冬場の積雪も少なかったので、平成6年の酷暑干天の二の舞かと覚悟していました。平成5年の冷害・翌6年の異常なまでの猛暑を思い出していたのですが、相次ぐ台風で尋常でない雨量を記録し、八月は猛暑と豪雨の繰り返しでした。
 
  公的には全国的なカドミウム汚染米と、夏場の高温による乳白米対策に、出来るだけ田面に水を張っておくようにと言う指示が有りました。
 
  私自身も昨年の様に夏の暑さが9月にづれ込んで、月中続くのかと考えて田面の水を切るのを遅らせました。

  加えて超遅植えによる出穂時期の遅れは、良質米を穫るという為には予想通り効果が有ったのですが、これだけ続いて台風が上陸し、琵琶湖の真上を2度・3度と通過するとは予想出来なかったので、隣の田の方が高くて、畦の下から水が染みこんでくる様な田では土が乾かず、稲刈りに苦労しました。

  通常収穫作業が終わると耕土培養資材を散布し、秋起こしをして稲株を腐り易くして来春の田植えに備えます。派米農業研修・渡航前研修の担当から引退し、半月の余裕が出来た筈なのに田が乾かず、ようやく仕事に掛かれるかなと思っていると大雨が降って、そのまま冬を迎えました。

  自然には逆らえないと半ば諦め、少し悔しい思いをしながらの年越しに成ります。事情は何処の農家も同じで、大半の農家は乾かない田を無理矢理に起こしたりしています。運良く台風前に稲刈りが済んでいて、田の表面が壁を塗ったようにならず、水捌けが良い所の場合は旨く処理出来るのですが、そんな田は今年は少ないようです。来年から作付けを頼まれている家の田については、実情が分からないので今のところ静観しています。作り易い田だといいのですが。

  「産屋餅」と言う風習が私の地方にはあります。子供が生まれると大きなお餅をついて、お祝いを頂いた所へお返しをするものですが、佐紀子の嫁ぎ先・五十嵐家のある愛知県ではそう言う風習が無いと言うことで、代わりに糯米「滋賀羽二重」と「コシヒカリ」を、詰め合わせてお持ちするという理由で、孫の「裕大」に会いに行って来ました。

  美代の勤務先高校で学期末試験が終わるのを待って行ったのですが、私どもにとっても五十嵐家にとっても初孫。我が家に居た1月余りの間は殆ど寝てばかり。表情にも変化が無くて、写真を撮っても面白味が少なかったのですが、半年の間に驚くほど成長していて、人見知りをしないで誰にでも抱かれるので、「知らない人にさらわれたらどうしようか」と五十嵐のお父さん。

  連れと旅行に行っても、孫に土産を買う人の気持ちが分からなかったが、「孫がこんなに可愛いものとは思わなかった」と喜んでおられました。カメラを向けてもニコニコしているのですが、残念な事にフラッシュを焚くと余計に笑うのが部屋の中では写せず、今度は屋外で連写してやろうと考えています。
                                                    平井肥料店・平井農産 平 井 貞 夫
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