平成17年6月
  6月に入って本格的に田植えの準備を始めました。今年は佐千夫がバイトに行かないで手伝っていますので、余裕が有るはずだったのですが、少し田が増えた事もあり例年通りのドタバタでした。

  5日は田中郷の財産区である阿弥陀山の山林踏査があり、宮司さんの案内で役員19人と共に山歩き。小学校の時以来になる阿弥陀山の三角点にも行きましたが、記憶に反して我が家は見えませんでした。それでも泰山寺野の開拓と、その下に広がる安曇川の三角州や琵琶湖の眺めは素晴らしく、是非天気を見計らって空気の澄んだ秋にもう一度行きたいと思っています。

  7日から田植えを始めましたが、初めて作らせて頂いた田は管理方法が分からず、いささか戸惑いました。朝早く水加減をしておいた田で、午後植えに行っても水が抜けていなくて、よく見ると草に覆われていて分からなかった排水路の下流は、U字溝になっているのに泥が10pほども溜まって草が生えていて、昨年までの作り手の怠惰な百姓ぶりに、呆れてしまった事がありました。

  比較的植えやすい田では、佐千夫にも田植機を運転させましたが、後で写真を見るとどうも表情が変ですね。何枚ものそんな写真を見ていてやっと気づきました。まるでモデルガンで標的を狙うように、片目をつむって照準を定めながら運転していました。それでもなかなか真っ直ぐには植わらなくて、こればかりは慣れないと仕方有りませんね。曲がっても米は穫れるからと励ましています。


  12日には、甥の綱次君が企画した田植え体験のグループが来訪。合計40人あまりの家族連れが5畝ほどの田を、2時間近く掛かって手植えしてくれました。隣の安曇川町総合体育館にお願いし、トイレと更衣室を借用。会議室では20分ほど掛けて田植えの手順を説明し、シュロ縄にビニールテープで印を付けたものを張って、一斉に植えては一歩下がり足跡を均してまた縄に沿って植える。この繰り返しでしたが、皆さん嫌がらずに最後までやり遂げてくれました。中には「今度からご飯を食べるときに粗末には出来んなあ」と言う声もあり、家に帰ってからおじいさんに電話を掛け、「今日田植えに行ってきて楽しかった。秋にはお米になるんやで」と言った子供さんもおられたとか。

  梅雨に入ったのはかなり早かったのですが、田植えをしている間は殆ど降らず、4・5月が例年の半分も降らなかったせいも有って、田んぼはどこもカラカラ。私が植える頃には1ヶ月以上早く植わった周りの田が中干しに入る頃なので、水路には水が流れていなくて代掻きには苦労します。それでもポンプを動かして水路に水を流して貰ったり、こまめに見回って水のある時に田へ入れる様にして、昨年より3日早く21日に何とか無事に植え終わりました。新しいタイプの肥料を試供品で貰ったのでその試作もしていますし、酒米の「山田錦」も少し植えています。いろいろと試行錯誤しながらの今年の稲作が、いよいよスタートしました。どんな天候になっても美味しいお米を作るのが私の役目と、管理には十分に気を使っていきたいと思っています。

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