平成17年9月

 8月11日から半月ほどは毎日の様に激しい夕立があり、丁度この頃に出穂期を迎えていた田のコシヒカリは、イモチ病に罹ってしまいました。

  田植え時期を少しずつずらしたり、品種を変えたりするのはその為なのですが、結果的に酷くやられたのは1枚だけ。この圃場は1割あまりの減収になりましたが、その他の田は写真の様に非常に綺麗。

  9月7日に日本海を通過した台風14号と、その後の強烈な夕立にかなり傾いたものの、無事収穫を終えました。周りの農家は大豊作で、軒並み10俵を穫っています。我が家では品質第一に考えて遅く植えているせいで、収量は1割以上落ちますが、この方が絶対に美味しいはずと自画自賛しています。

 「東京ファーマーズマーケット」が11月1〜6日の間、丸の内・三越百貨店などを会場に開催されます。生産者と消費者をつなごうというこの催しに、私ども国際農業者交流協会の事業で海外農業研修を体験したOB達が参加する事になり、私も出展致します。

  トップ・シェフたちにより、独自の厳しい基準で厳選された100の生産者が、生産品を出展するファーマーズマーケット。トップ・シェフたちがコーディネート役となり、生産者と消費者が直接交流する場をつくり、パリのマルシェやサンフランシスコのファーマーズマーケットのような、魅力的で美味しい空間が東京の街に出現します。予備審査があり、赤坂離宮総料理長・京都嵐山吉兆総料理長・辻調理専門学校校長・服部栄養専門学校理事長など、10名の審査員の方々にコシヒカリを送りました。ちょっとドキドキものでしたが、先日銀座三越の担当者の方から電話があり、米を出展する大勢の方々の中から、3名を電話注文が受けられる様にしたいが、引き受けて貰えないかとの事でした。

  我が平井農産の生産量はそんなに多くないので、もし此処での評判が良くて米が売れたら、レギュラーでお送りしている皆さんにご迷惑をお掛けしますので、迷ったのですがお引き受けしました。今年は少し反別も増えましたし、そんなに大量に注文が来るものでは有りませんので、との事でしたので。

  6月12日に手植えして貰ったコシヒカリは、まだ少し刈り取り時期にはならないので、近くの別の田で稲刈り体験をして貰いました。

  9月18日は好天に恵まれ、コンバインの回れるだけの広さを手刈り。その分はコンバインで直ぐに脱穀したあと、代わる代わるコンバインにも乗って頂き、収穫の秋を実感して頂きました。

  もう少し広い面積を手刈りしたかったとの事でしたが、8月1日から無料開放された湖西道路が大渋滞。大阪から皆さんが来られたのが予定を1時間半過ぎていてはちょっと無理。別に準備したコシヒカリの新米のおにぎりを、試食して楽しんで貰いました。

  地球温暖化の原因は専門家でも意見の分かれる所ですが、平均気温の高さが稲作に影響を与えている事だけは間違い有りません。5月の連休に田植えをすると稲の穂が出るのが7月末。一番の猛暑の頃に稲が稔るのを避ける為に、収量を犠牲にしてまで遅植えをしていますが、それでも今年は昨年までより収穫作業に入るのが1週間早まりました。出穂したのは予定通りお盆の前後。その後の気温が高かったのでしょうが、これ以上田植えを遅くする事は出来ませんので、さてどうしたものかと思案しています。じっくりと時間を掛けて稲穂が稔るのが理想なのですが。
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