「こしひかり便り」                平成18年11月
 家の横の田を刈っていて、あと30分ほどでお仕舞いと言う時にコンバインのキャタピラーが切れ、その日は農機具店から借りたコンバインで収穫を済ませましたが、部品を取り寄せて貰って修理するのに5日も掛かってしまいました。

 しわ寄せはその次の品種・酒米の山田錦に来てしまって、天気が良かったのは幸いでしたが、逆に米の品質を落として仕舞いました。米は成熟期に刈り取りをしないと、ほんの数日で胴割れが発生します。そのため毎日の様に稲を見て回り、穂の熟れ具合を確かめて刈り取りの順番を決めます。

 同一品種を続けて刈り取って行くと、コンバインや乾燥機を掃除しなくて済みます。同じようなウルチ米だと余り心配は無いのですが、酒米と糯米には非常に気を遣います。そのために、ウルチ米を全部収穫してから酒米を刈り取ったのですが、結局全部の稲刈りが終わったのは28日でした。隣町の田が最終になりますので、こんな格好で帰って来ました。

 籾摺りも、品種が混じらないように機械類の掃除は欠かせません。籾摺り機(ロータリーハラー)・石抜き機・選別機(ライスグレーダー)と流れて来るのですが、それぞれの機械を大まかに分解し、掃除機とコンプレッサーで徹底的に掃除します。それでもどこかに米が残っているので、最初に出てくる何kgかの米は、我が家で自家消費するために別にしています。

 特に糯米は得意先農家の米も引き受け、同じ日にかためて籾摺りをしています。更に精米も、糯米だけは我が家の精米機で、出来るだけ抵抗を掛けないで、ゆっくりと行っています。勿論山田錦は別で、11月25日に運送店のトラックで京都の専門業者の所へ送られました。此処から吉田酒造に戻って来て、胴割れが酷くなくて上手く65%まで削れたら、年末に醸造され年が明けると純米酒になる予定です。

 11月3〜5日の連休に、裕大が帰って来ました。3日は私だけが家に居たので終日子守をしましたが、段々とお話も出来るようになり、なかなか楽しい一日でした。12日は長野へ恒例のお墓参りに行き、13日は大阪で肥料の研修会。

 18日には市内マキノ町で滋賀県国際農業者交流協会総会を開催しました。初めての試みとしてご家族も一緒に参加して頂きましたが、休日に自分だけ家を空けるのは難しいので、今回の総会は楽しかったと言う方も多く、次回からはもっと参加者が増えるのではと期待しています。前滋賀県知事の国松善次氏は、昭和42年3月にドイツへ行かれた研修生OB。

 同じ年の6月に私はアメリカに旅立っておりますので、研修生としては同期の仲間なのですが、琵琶湖大学駅伝に滋賀県体育協会会長として開・閉会式に出席される合間を縫って、今回初めて参加して頂きました。ドイツでの思い出をお話頂けませんかとお願いしましたが、ドイツ研修で学んだ事が基礎になって、滋賀県知事として全国に先駆けて、「環境こだわり農産物」の生産を推進されたとのお話でした。

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