平成18年6月
 例年連休明けに種籾を播種するのですが、今年は田が増えた事もあり1週間ほど早めて、5月1日にコシヒカリを蒔き始めました。田植えには20日ほど掛かりますので、以下順次種を蒔いてゆきます。滋賀羽二重糯や酒米の山田錦などの晩生品種が、一番最後になります。

 ところが今年の極端な日照不足のせいか、苗がなかなか順調に伸びないので、予定を少し遅らせて6日から植え始めました。それでも背丈は低くて水没するし、根張りが悪くて腰砕けになって、植わった積もりがUターンしたら一列まるで抜けていたりと散々でした。

 今年初めてお預かりした田には、1枚が2枚・3枚に区切られている所があり、当然それぞれが高低差を持っていますので、まずこれを一枚に直す為に中畦を取り払い、高い部分の土を低い所に引っ張って、代掻きを丁寧にして1枚に仕上げるという作業を、何日も掛けて行いました。

 高い所には水がのらないので除草剤が効きません。低い所では苗が水没します。一旦綺麗に均して水を張って見ないと、本当の高低差は分かりにくいのです。次の日に田植機を走らせて見て諦め、代掻きをやり直した事が何度も有りました。

 隅の方に土が偏って機械では修正出来ない様な部分は、佐千夫が頑張ってアルミのレーキで引っ張って修正してくれ、水を深めに張れば何とか表土が見えない程度にはなりました。

 14日には国際農業者交流協会の理事会と総会があり、監査報告をするために上京。今年から滋賀県の会長としても出席し意見を述べました。明くる15日から2泊3日で、香港マカオに旅行。こちらは住友肥料や農薬の問屋さんである、高岡屋さんの35周年記念ツアーでした。

 この時点ではまだ田植えは半分済んだだけでしたが、幸い佐千夫は多木肥料の取り扱い店・野矢商店の、上海・蘇州3泊4日の旅行に2月、私がスキーの国体で行けなかった代わりに参加していましたので、今回は留守番をして肥料の配達等をこなしてくれました。

 海外には何度か出掛けていますが、ユニバーシアードでイタリアへ行った以外はいずれも農業研修がらみの旅行で、今回の様に純然たる観光旅行で海外に行ったのは初めて。

 何十年来のお付き合いもある商売仲間の方もおられ、日程も詰まっていて慌ただしい旅行でしたが、梅雨時にもかかわらず段々と天気が良くなって雨にも出会わず、中身の濃い楽しい旅行でした。香港の100万ドルの夜景も、山の中腹から眺める事が出来ました。

 帰ってから、山田錦など晩生品種を中心に田植えを再開。背丈は十分でも苗の太さが足りないようで、どうしても植え込んでしまって準備した苗が足りるかどうか、ギリギリの綱渡りでした。幸い梅雨入りが早かったものの好天が続き、真っ黒に日焼けしながらの田植えでしたが、昨年より大幅に反別が増えたのに、殆ど日数は変わらないで終盤を迎えました。

 24日の土曜日に苗代を仕舞って、代掻きを始めたのが既に夕方。水の回りが悪くて流石に諦めましたが、日曜日にやり直して何とか田中神社の泥落祭の後で、無事植え終わりました。
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