「コシヒカリ便り」         平成9年 1997年 10月
 コスモスが咲き乱れ、収穫が済んだ田面からは稲が消え、秋本番とはいえ刈り跡の稲穂ばかりが目立つ様になって、百姓をしている者にとってはいささか寂しい季節です。
 前日刈り残した家の前の田を少しだけ刈って、今年の収穫作業は1日に無事終了しました。コンバインが新しく大型になったお陰で、体は楽で仕事も早く済んでしまいました。
 例年なら周りの農家が晩生の「日本晴」の収穫を始める頃、、ようやく早稲の「ひとめぼれ」を刈り終えます。「コシヒカリ」を少し刈り始めると、大型の機械を持つ農家にどんどん追い越され、気が付いて見渡すと残っているのは自分の田だけという年も有りました。
 とりわけ昨年は雨にたたられ、収穫作業はようやく18日に終り、既に14日から始まっている欧州派遣の農業研修生の講習に、埼玉農業大学校まで車を飛ばしました。ところが今年は、2日の雨の前に母の畑を起こして畝立てまで済ませました。来年の苗代の準備まで出来たので、新しい機械の威力に今更なガら感心しています。
 毎年なら10月11.12日に行っていた、全日本選抜天橋立ローラースキー大会が、連休を避けて9月27・28日に有りました。昨年は競技委員長を勤めましたが、今年は副競技委員長に回りコンピューター主任兼任と言う事で、計時計算をコンピューターでやろうとプログラムを自作し、1年掛りで準備したお陰で無事に終了。普通スキー場を持つ府県のスキー連盟なら、どこでもセイコーが開発した計時計算システムを使って難無く処理しているのですが、我が京都府スキー連盟は全て手作りします。従兄に譲って貰った古いコンピューターを使って、どうやら選手のタイムとトップからどれだけ離されたかを示す時間差、更にはペナルティーポイントまで計算出来る様になりました。
 10日は町民運動会。これも例年通り、何回目かの競技委員長を勤めます。
12日から来年度に派遣する研修生の講習が埼玉で始まります。講習を担当して助手をしたのが4年所長が都合25年で、1年に欧州派遣と米国派遣の2ヶ所を担当した事も有るので、通算すれば今年は30回目の講習担当を勤める事になります。
 春は比較的低温不順でした。7月は雨が多く8月上旬から9月まで、丁度1ケ月の間雨らしい雨が降らず、冷夏の長期予報こそ外れましたが、決して順調な年では有りませんでした。そのために発生したイモチ病は思いのほか重症で、1〜3割位収量を落とした農家が多く、食料事務所発表の95ポイントというのは、とんでも無いというのが実感です。
 我が家は例年通り、皆が不作の年でもそんなに収量を落とす事は有りませんが、2枚の田で除草剤の効きが悪くて雑草の発生が多く、収量にも影響しました。何とか除草剤を使わずに、しかも雑草を押さえる事が出来ないものか思案をしています。
 
 

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