平成9年 1997年 11月
  来年3月、欧州(デンマーク・オランダ・ドイツ・スイス)に1年間派遣する農業研修生の渡航前講習に、埼玉県農業大学校へ行っておりました。17日間の講習中1度も雨が降らなかったのは、30年間講習を担当していて初めての事です。
  これはおかしい。家に帰って仕事をしようとすると、雨ばかり降るに違いない。そう考えながら29日に帰ってくると、予想通りの土砂降り。やっぱりなあと半ば諦めておりましたが、その後天気は回復し、ようやくこの週末に掛けて下り坂とか。
  雨も降らず田も乾いていたお陰で、全部の田にケイフンに微生物を培養した堆肥と土造り用の耕土培養資材を撒き、何年振りかで秋の内に田を起こす事が出来ました。田は気温が出来るだけ下がらない内に早く起こしてやると、稲株や稲藁が土の中で腐って上質の堆肥になり、藁が邪魔をしなくて田植えもうんと楽になります。
  今年はトラクターが新しく大きくなったのに加え、田を起こすのにもパワーディスクという装置を使いました。普通のロータリーと比較すると土が反転し、今まで空気に触れなかった底の方の土が、太陽に曝される様になります。多年生雑草の塊根なども、冬の乾燥した寒気に曝されて死滅することが期待できます。特に粘土質の土の風化に有功で、毎年水捌けが悪くて困っている田には効果が有りそうです。来年の米作りに楽しみが増えました。 
  お天気続きなのは農作業には好都合ですが、琵琶湖の水位が下がり始めたので心配しています。11月中旬で−70cmと云うのは、ちょっと少な過ぎる様な気がします。例年今頃は地下水位が最も下がる時期で、我が家の自家水道も水が細って出にくくなり、もっぱら町営の水道に頼っています。このまま少雨傾向が続くと、最悪の事態も予想されます。
  雪が少なければ、冬季オリンピック長野大会も心配です。スキー連盟の役員としては、国体に送る選手を選考する、国体予選が出来るかどうかも心配の種です。大会が開けなければ、誰を国体に連れて行くか、実力の伯仲する選手の中から選考するのは大変なのです。 
  スキーという競技は全くの大自然の中で行われるので、雪が少なければ大会が出来ないのは勿論ですが、多すぎても、折角整備したコースが潰れる事になり、競技役員は夜通しコースの整備に当たったりもします。体育館で行われる室内競技では考えられない苦労です。 
  揉めている滑降競技のスタート地点変更問題が解決し、雪に恵まれて長野オリンピックが成功裡に終了する事を期待しています。
 
 

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