平成10年 1998年 9月
 稲が色付いて来ました。台風が2度3度と襲来した昨年と較べると、今年の穂は格段にきれいな熟色で、一年振りに見る黄金色の稲穂の波です。心配していたイモチ病も7月上旬の猛暑で菌が弱ったらしく、下旬に出始めた稲穂は思いの外に美しくまずは…安心。所で、我が家の様に防除のための農薬散布はしない者はまあ例外で、集落一斉の地上防除等と言われ、皆の手前自分だけやらないと言うわけにもいかないしと、弱っている老農夫も多いのです。
 稲が健康に育っていれば病気にも害虫にも比較的強いし、農薬に頼る必要も無いのですが。そのために我が家では、ケイフンに90種類の微生物を培毒した堆肥を散布しています。健土、健食、健民というキャッチフし−ズも気に入っているのですが。細かい粉末だったこの堆肥が今年から粒状になったので、得意先の農家にも本気で勧めようと思います。手始めに、せめて自家用の飯米にだけでも使ってみて貰おうという作戦です。もっとも私の様に苗を植える間隔を広くし、植える本数も2〜3本に減らしてくれるがどうかは分かりませんが。
  大雨に見舞われた那須町の友人に電話をしました。何度も掛け直して夜になってやつとつながった電話口で、犬が怯えてメシを食わない程の大雨だと言います。幸い彼の家や事務所は大丈夫でしが、被害状況には神戸淡路大震災の時以上に、同じ百姓をしている者として切実さを感じます。時間があれば後片付けの手伝いに行ってあげたいとさえ思います。低温と長雨から回復してくれる事を祈るのみです。
  我が家も収穫の秋を前に、昨年秋に従兄の所で組んで試運転をした大型の乾燥機を引き取れる様、鉄骨スレート葺の小屋の屋根の嵩上げ工事をしています。とても入らないだろうと思っていたのに、ぎりぎりとは言え何とか収まりそうなので拍子抜けしていますが、せつかくだから工事だけはやって、少し広げる事も考えています。今ある小屋を回れ右させ1m位背を高くするのですが、大した工事では無いので自分でやっています。設計図も無しに目見当で。
 
 黄金色に色付きはじめたコシヒカリ

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