平成11年 1999年 1月
 昨年は、気象異変と言うには余りにも大きな変動に、天候相手の百姓仕事の厳しさを嫌と言うほど思い知らされた一年でした。何人もの仲間の年賀状の中に、米は全滅でしたと言うものが数人有りました。年末にいつもシクラメンを送ってくれる茨城の大内君に、温室の中なら天候に関係ないから良かったねと電話すると、笑われてしまいました。極端な日照不足で9月頃には、今年は花が咲かないのでは無いかと心配していたそうです。彼はシクラメンを栽培しながら交配も手掛けていて、最近見掛けるパステルカラーの品種は元々彼が作り出した物で、現在日本に流通している品種の6〜7割は、彼の作品だと言う程のベテラン農家なのですが。
 春先の異常な高温期も何とかしのぎ、秋、収穫を目の前にしての長雨と、予想外の草の成長で受けたコシヒカリの被害に、今年の稲作の方針をどうしょうがと頭を悩ませています。除草剤はなるべく使いたく無いので、別の方法を試して見ようと思案中ですが。
  昨秋は、欧州に派遣する研修生の講習に埼玉へ17日間、米国に派遣する研修生の講習に、和歌山へ15日間出張し、講習に先立つ選考試験の面接に4日出掛けたのを合計すると、36日も家を空けてしまいました。そのせいで、例年通りの秋の農作業が全く出来ていず、田の秋起こしをしなかった事が、冬の寒さで凍死するはずの草の種や球根を生き延びさせ、昨年以上に草の多い年になりはしないかと心配しています。
  秋の収穫時に問に合わそうと、夏の終りに古い鉄骨の倉庫を直しはじめました。全体を回れ右させると、背丈を1、5m高くする事が出来、従兄の小屋に2年も預けてある新しい乾燥機が収容出来るはずと踏んで、フォークリフトを使って一旦バラし、ペンキも塗って回れ右をさせてから、再度組み上げました。この際だから、回りの壁も新しくし、補強材も入れてと張り切ったのですが、なにしろ仕事の合間を見ての作業で全く進まず、結局年末まで掛かってようやく7割り方が完成。後は暇を見て表の戸を取り付け、出来れば新しく庇をつけて車庫も作りたいと思っています。何人もの友人の、冷やかしや助言を得ての作業で、それはとっても楽しいのですが、まとまった時間が取れないので、どうしても取り敢えずになってしまって、出来上がると少々曲がっていたり凸凹になっていたり。
 取り敢えず、まあ良いかと笑ってしまいます。なにしろ、思案をしている時間の方が長いし、専門的な道具も無いので、それも仕方有りませんね。

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