平成11年 1999年 12月
  埼玉県農業大学校で行う欧州派遣農業研修生の渡航前講習の担当を、平成4年に講習所開設以来助手を勤めてくれた椎橋君に譲ったので、10月の収穫作業が終わって後片付けをあらかた済ませ、それでも気になって手伝いに行って来ました。講習担当を外れたので研修生の評価をする必要も無く、自分の責任の範囲内で英語の講義をしたり朝のトレーニングで走ったり、なかなか行けなかった秩父方面に時間を見て出掛けたり、何軒もの名のある蕎麦屋さんを食べ歩いたりで、楽しんで采ました。振り返って見ると40数名いた研修生のほんの数名しか名前を覚えていません。11月14日から米国派遣農業研修生の講習を、和歌山県の紀北青年の家を会場にして行いました。ハワイへ派遣する5名の女性研修生を含め総勢40名。主として近畿・東海地方の出身者ですが、北は山形から南は沖縄まで19才から28才の、将来自家営農を継ごうとする者や、何等かの形で農業と関わって生きてゆきたいと希望する者達です。えらく元気の良い数名の若者に引きづられ、今年の講習は賑やかでした。
  23日には恒例の高野山50km参拝登山を行い、私もグループを先導して朝6時から歩き始め、町石道を通って12時に高野山大門まで登りました。途中3回の補給を兼ねた休憩を設定しているのですが、それぞれの場所に予定の時刻の1〜2分前にぴったり到着するという離れ業で、無事役目を終えました。50数人分のパンやおにぎり・ジュースにコーヒーを車3台で運んでくれたり、遅れ勝ちになる研修生を叱咤激励して励ましてくれた何人ものOB達。彼等の手伝いが無かったら成り立たない一大行事です。
  昼食はいつもの宿坊・大明王院が一杯で、昭和天皇が高野山に来られた折りに料理長を勤めたという「花菱」にしました。精進料理を本格的に食べるのは研修生のみならず、手伝ってくれた13名のOBにとっても楽しみなのです。
  和歌山はミカンと共に柿が有名です。講習を始めた20年前から、ずっと手伝ってくれている藤井君は見事な柿を作ります。信じられない位に美味しいのです。
 研修生をOB宅に実習に出した日、講習助手を勤めてくれた3人のOBを案内して、久し振りに串柿の里かつらぎ町四郷を訪ねました。お正月の縁起物で鏡餅の上に飾る串柿を、スダレの様に干してある風景は勿論の事、少し遅かったのですが途巾の峠の両側の、くぬぎ林の紅葉が見事でした。

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