平成11年 1999年 3月
 3月になるとそろそろ今年度の稲作が始まります。最初の仕事が種籾の準備。普通は前年の秋に自分の田で収穫した籾を使うのですが、私は10数年前から富山県の庄川町農協の稲種センターから送って貰った、品質日本一と言われる種籾を使っています。
 以前は2月に富山県まで出掛けて行って、トラックに積んで帰って来たのですが、取扱い量が多くなり、トラックが4輪駆動で無くなったせいもあって、冬場には行きにくくなり、運送屋さんにお願いしています。でも何度も出掛けてセンターの皆さんとは顔馴染みになっていて、今では電話一本で追加注文まで、気軽に送って頂けるのは有り難いです。
 昨年は秋に長雨があり、稲の品質が良くなかったせいもあって籾種の追加注文が多く、「ひとめぼれ」は庄川町の稲種センターでも品切れで、以前タイ・オーストラリアへ稲作の研修に一緒に行った、宮城県の佐藤さんに頼んで送って貰いました。実は「ひとめぼれ」は宮城県で出来た品種なのです。佐藤さんの話では、「ひとめぼれ」を越える品質の良い米もあるとの事ですので、来年は試してみようかと思っています。
  桜前線が例年より早まりそうです。卒業の季節ですが、海外派遣農業研修生の卒業式は国際農業者交流協会の主催で、我々渡航前講習を担当した者が集まり、外務省・農林水産省の担当官や、派遣先国の大使館から農務官らを迎えて行う、研修が終わって帰国した研修生のための、歓迎解散式になるかと思います。今年は25日に、昨年3月に送り出した、欧州派遣の研修生45名が帰って来ます。3月2日には新人を欧州・米国そしてハワイに、合計67名送り出しました。昨年の秋はその内の54名の講習を担当した事になります。11日から17日まで、6月に米国へ2年間派遣する研修生26名の講習に、和歌山へ行っておりました。さすがに19日の国際農業者交流協会の総会は、勘弁して貰いましたが、本業をそっちのけで若い研修生の講習に参加出来るのも、母親が元気に留守番をしてくれるからこそと感謝しています。
 初めて講習を手伝った、昭和44年度の研修生から見ると、5年位ごとに研修生の気質が変わって来ている様に感じます。最近の若者は特に会話が下手になりました。まったく表情が変わらないので、講義をしていても分かってくれたのかどうか、全然読めない位に反応がありません。逆に帰国した研修生は表情も豊か・動作も大袈裟で、ともかく話していて楽しいのですが。この差が年々広がって行くようで怖いくらいです。

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