今年の稲作 2006
 3月、種籾を取りに来られた得意先の親父さんが、「すまんが3枚だけ作って貰えんやろうか」と言われました。その前に別の家の田を少し頼まれていましたので、まああと3枚位なら増えても大丈夫やろうとお引き受けしました。

 ところが10日ほどして、もう一枚作って欲しいと言われ、月末には種籾を返しに来られて、結局全部作らせて貰うことになり、今年は1町歩余りが一気に増えました。

 連休が終わって皆が田植えを済ませる頃に、私の苗代作りがスタートするのですが、春先からの天候不順がこの時期に来て酷くなり、苗の伸びが止まってしまって、予定より1週間遅れて6月6日から田植えを始めました。最初は苗の背丈も短く根の張りも悪くて、おまけに今年から使い始めた播種機には、別注してギアを付け替えたのですが、昨年より少し薄蒔きだった様で、育苗箱に50gしか蒔けていなくて、マットの苗が崩れやすく田植えにはちょっと苦労しました。

 今年初めて作らせて頂いた田の内、5枚は上下2枚に別れていましたので、代掻き前に時間を掛けて何度も土を引っ張って、高低差を無くして1枚の田に仕上げました。この作業をしているのを地主さんが気付いておられ、「良い田になってきた」とお中元にビールを頂いた方も有ったほど。昔ご自分で作っておられた頃から、何とかしたいと思っていながら出来なかったのでと、非常に喜んで頂きました。

 今年は田植えの最中に問屋さんの招待で、香港・マカオに2泊3日の旅行に出掛けたのですが、それでも佐千夫と2人で、昨年よりは1町歩余り多くなった田を植え終わるのに、前後20日と日数は変わりませんでした。やり方次第で、もう少し増えても大丈夫かなと思っています。田植えから1月半経って、周りのコシヒカリと肩を並べるところまで生長しました。農薬も除草剤を1回使っただけの減農薬栽培ですが、元気な稲に育っています。

 7月は各地で豪雨の被害が出ましたが、幸い滋賀県は殆ど雨らしい雨が降らず、順調な生育振りでした。中旬にはコシヒカリに調節肥を撒きましたが、これで栄養生長から生殖生長への転換を図り、病気になりにくい丈夫な稲体にしておいて、思い切って穂肥が入れられる様にしています。

 梅雨が明けると猛暑の夏。地球温暖化を見越して5年前から田植えを6月にまで遅らせ、8月下旬に出穂するようにして、稲の登熟期が極端な高温時期にかからない様に配慮しています。昨年は8月に1週間余りも夕立が続き、お陰で出穂したばかりの我が家のコシヒカリは、残念ながらイモチ病に罹ってしまって不作してしまいました。

 ところが今年の夕立はわずか2日だけ。おまけに全く雨の降らなかった昨年と違って、9月になると7日から秋雨前線が停滞。10日余りぐずついた天気が続きましたが、北九州に大きな被害をもたらした台風13号は、そのまま日本海に抜けて秋晴れを運んできてくれました。この時期には水路に水が来なくなって例年ちょっと困るのですが、超遅植えの我が家の稲には、10月下旬収穫の酒米・山田錦にまで、丁度適当な雨になって幸いでした。

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