タイ・マレーシア訪問記

 12月14日から一週間、タイ・マレーシアでの会議に出席した交流協会受入業務課長の坂元君(米2・14回生)から、現地での写真が届きました。

マレーシアにて
1997年来日:Teoh Kar Yeow テオ・カー・ヤオ研修生:受入農家 青森:小沢田氏
  彼の野菜圃場からペナン市が見える。大名行列のように同行者が付いて来ています。日本での研修時にはリンゴ、サクランボ、の農場に配属になった。希望は果樹だった。帰国間近にコミュニケーション不足から問題が起こったらしい。
  テオ研修生は、日本へ行く前はドリアンと野菜栽培。今は野菜と花、少し果樹を生産。農場は10ヘクタールあり、6ヘクタールは野菜で4ヘクタールが果樹。現在労働者は3人。2名はインドネシア人。残りはお父さん。
  日本へ行く前に父親が野菜を始めたが、全くマネージメントが出来ていない状況だった。日本には技術習得のために参加したが、農業経営(マネージメント)がものすごく勉強になった。野菜はペネン島内に販売。大量に作ってもどうしようもない。
  研修へ行ってからとその前の状況の違いは、随分収入が増え儲かるようになったこと。周りからは変わった事をするので、変人とかキチガイとか言われることがあった。しかし日本の研修は非常に勉強になった。また行ってみたい。

中央:帰国研修生:テオ・カー・ヤオ君
  帰国研修生:ワヒド・サレー君所有の農業機械
 



 OB農場訪問: Mr. Wahid Salleh ワヒド・サレー(来日年度1986)2回生 栃木県配属:磯 憲明氏(トマト、きゅうり)  写真は帰国研修生とその子供達
  日本に行く前には米を4エーカー。直播で密植栽培。その他中国人所有の農場でトラクタードライバーをしていたが、非常に貧しかった。自分の意志で参加したのではなく、普及所から話を聞いて事業に参加することになった。  昔は渡航前の講習はなく、直接みんなで集まってそのまま訪日した。日本で勉強になった事:朝早く起きる事。勤勉。
  訪日前は8時起床、日本では4時。今は6時半。勤勉→計画的に仕事を行う。一生懸命集中して仕事をする事。施肥や薬剤散布等システムマテックな経営になった。技術的には稲の移植作業が勉強になった。
  現在所有面積は10ha。 年2作。1987年に日本のお父さんが来日した。3日間滞在した。1992年にはトラクターを購入。1994年にコンバインを購入して、田植え前のトラクターによる田起こし、コンバインによる収穫作業受託(受負)をするようになった。現在所有の機械:コンバイン(米国の大型タイプ)2台。トラクター2台。ハンドトラクター2台。従業員8名。機械はメンテナンスが大変。機械は中古を購入して、自分たちで使いやすいように改良している。帰国研修生の内で一番成功した例だと評価されている。

  Mr. Aslizan Jamlluddin(2000年度) アスリザン ジャマールウディン 農場主:長澤氏(静岡県) トマト、その他野菜
  現在稲作は2エーカー(年2回)、養殖(池:5:ナマズ養殖)、野菜、牛11頭、やぎ12頭。ナマズは1kgあたり5RM(1尾=300g程度)。1つの池に50,000尾=出荷時は45,000尾。 収入的には、池一つ当たり米1ha程度の収入と同じ。
  労働者は居らず一人で作業している。帰国時に変えた事は時間の管理。時間を無駄にしないようにするために、色々と家畜や養殖等を増やした。家畜導入では空いた時間を埋める事ができる。2002年に結婚した。2002年1月に実施したマレーシアフォローアップ時は、まだだった。
  今でもリーダーのアシックとは連絡を取りあっている。彼は花を栽培している。日本の研修は楽しく、有意義だった。農場主(長澤さん)には大変感謝している。帰国後は以前の2〜3倍の収入になったが、それに導いてくれたのは農場主だと思うし、非常に感謝している。

中央が帰国研修生とその養殖池 帰国研修生と彼のお母さん
 
 

  この日の昼食は、ペナン農業普及センターが主催。近郊OBとの交流会を開催してくれた。上記OBの他、下記の2名が昼食会に参加してくれた。地域OBで集まる機会を作って、情報交換や研修生の発掘等を行なって欲しいと伝えた。
右から:Mr. Ahmid Bin Din (栃木県:戸祭 真氏農場配属) 1985年  現在は花を栽培。
Mr. Hamid Zulhilmi (茨城県:倉持 清氏農場配属) 1991年


昼食会後、帰国研修生との一枚
 右端がマレーシア農業省の事業担当者

タイ研修候補生トレーニングキャンプの様子について
タイでは12/14から、来年4月に日本に派遣する青年の講習を行なっています。
 
 *選考試験は11/24に開催されました。試験内容は穴掘り。試験会場は、タイ国のカンチャナブリ市にある農業青年育成センター(Farm Youth Promotion Center)。そのセンターの一番固い土地に、スコップ一本で穴を掘らせました。(大きさは未確認。しかし制限時間が2時間)
  穴を掘らせて、各自の農業経験の有無、ひとつの事をやり遂げる強い意志の有無、相互協力するような姿勢があるか等も判断基準になったようです。29名が合格しました。その合格者に対して12/13から講習を開始しましたが、結局3名が恐ろしさを感じて辞退し、26名が参加しました。
 一行は12/15から、カンチャナブリ市にある軍キャンプ地に於いて、軍指導者による4泊5日の訓練に入りました。この写真は丁度3日目の12/17の様子です。
  軍キャンプ(カンチャナブリ)での訓練会場を訪問。民間から軍が受託して実施している、「自己啓発」を目的としたトレーニングを、12月15日から19日(4泊5日)まで行なっていました。
  軍教官の説明では、毎日ほぼ30分〜1時間程度のコマで色々な訓練、調教やオリエンテーション等ありとあらゆる内容で実施するものであり、各自に「規律・規則を厳守」、「リーダーシップの醸成」、「困難に直面した時に、何とか自力で克服しようとする強い気持ちの醸成」、「発想の転換の訓練」、「意識の統一」等を持たせようと言う真の自己啓発であり、軍の銃等の武器を使った訓練とは異なるとのことでした。
  毎晩就寝する場所は異なり、前もって知らせることなくその都度伝えて準備させて異動するという、真に行軍中と同様の生活状況である。(初日、大広間の床。二日目、キャンプ内の宿舎のベッド。三日目は野営ということでした。)
  我々からも研修生に対して簡単な話を行い、質疑応答の時間も持った。(どんな事でも良いから質問しなさいと言った後、候補生から多くの質問が出てきた。)JAECも研修生に対して、「自己啓発」ということも意図して講習を行なっています。そのことのみに照準を合わせて徹底的に行なっており、少し見学しただけでもその方針やスピリットが理解出来、今回の訓練はかなりの成果を期待できると感じました。




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