神饌所・神輿倉・石段の改修










 田中神社は、田中郷の総氏神として、往古より父祖代々にわたりご神徳を仰ぎ、地域平安の鎮守の宮として崇めて参りました。この間、数百年の歴史の過程において、本殿はじめ多くの建物は、数次に亘り改修等が繰り返されて来ており、最近においては平成の大造営事業として、拝殿屋根の葺き替え改修と摂社(小宮)八社の改築等を、平成11年に終えたところでありますが、その際なし得なかった神饌所および神輿蔵、ならびに石階段(きざはし)の改修について、過般来数次にわたる神社役員会において協議し、別途建設委員会を設置して、次により、平成21年度の完成を目途に、実施することを決定いたしました。        
                   田中神社 神饌所等の改修工事にあたっての 「趣意書」 より
 趣意書を作成するに当たり、建設委員会の薬師川副委員長と共に神社を訪ね、伊藤宮司共々問題の箇所の写真を撮って来ました。この内の何枚かは趣意書に使うつもりですが、関係各位により詳しく知っておいて頂くため、このホームページにもアップしました。

神 饌 所
 <現況> 昭和14年に建てられて以降、さしたる修理もせずに来た神饌所は、地覆石天場が沈下し、建物が傾斜していることに加え、犬走りの天場よりの間隔が少なく、雨雪にさらされて腐食著しく、白蟻の被害も発生しています。さらに、外回りの壁や腰張り板の損傷激しく、瓦屋根に逆水現象もあり、これ以上放置出来ない状況です。
 <改修計画> 建物全体を上げ、強固な基礎工事と地覆の取り替え、切石の据直しを行い、換気・通風面を改善します。また、外周りは壁の中塗りを行い、腰張り板は風雪雨害・虫害防止のため、鴨居長押までの張り込みとします。さらに建設当初より、約15年毎に葺き替え、または部分修理を行ってきた瓦葺に替えて、耐用年数および荷重や猿害なども考慮して、銅板一文字葺きにする予定です。



神 輿 蔵
 <現況> 神輿蔵は社務所側(右側)に地盤が沈下しているため、建物が傾斜しています。加えて、琵琶湖西岸断層帯の地震が懸念される今日、文化財としても極めて重要な神輿を所蔵する建物として、耐震性に問題があります。後宴祭には扉を開け、参拝出来る様に飾るのが本来だが、祭具類の置き場兼用となってしまっている。
 <改修計画> 建物全体を上げ、レベルを矯正するとともに壁を補強し、耐震枠・柱の取り付けることにより、耐震構造とする予定です。その際、建物全体を北側および西側へずらし、社務所との間にある通路を拡幅。建物の東側には、祭具類を収納する物入れを付加する。蔵の内部は、これまで苦労してきた神輿の出し入れを、手で抱えた状態で出来るよう床板を撤去し、さらに天井高も上げる予定です。




石 階 段
 石階段が微妙に傾いていて、最上段の石は左側が少し低いのが見て取れます。
<現況> 社殿に上がる石階段(きざはし)は、木の根による石組みの盛り上がりや、経年の劣化によるズレや歪みが著しく、踏みしろが狭いことに加えて傾斜が急で、上り下りの危険性もあり、老齢化が進む今日、参拝にも支障が生じています。 
<改修計画> 石階段の全面的な組み直しを行い、踏みしろを広くするとともに、傾斜角度を緩くする。また手すりを取り付けることにより、楽でしかも安全に参拝出来る様にする予定です。





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